他のファンタジー作品におけるビホルダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 00:43 UTC 版)
「ビホルダー」の記事における「他のファンタジー作品におけるビホルダー」の解説
今日、日本ではビホルダーには強い権利問題が絡むという認識がある。その為、D&D以外の多くのファンタジー作品においては、ビホルダー(のようなもの)を登場させるときには、名前やデザインなどを変更することが通例となっている。この現在の日本の認識は萩原一至の漫画『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』に端を発する。週刊少年ジャンプ1988年22号(5月9日発売)「闇の反逆軍団編 9 焦燥」に登場したビホルダーであったモンスター(欄外には漫画家の円英智デザインであると書かれている)が1988年11月15日に発売された単行本2巻で手足が書き足され、名前も「鈴木土下座ェ門」に改変されたのである。この変更は欄外に「ゴメンちょい事情が……」「しでともゆるして!! ゴメン!!」とあることから予期せぬ出来事かつ不本意であったと思われる。 2012年に発売された『BASTARD!! -暗黒の破壊神- NINJA MASTERガラ外伝』には 「……この「●ホルダー」というモンスターは「●ンジョンズ&ドラ●ンズ(●&●)」の中で作り出されたもので、当時の●&●の日本での代理店がこの無断盗用に抗議、当時の萩原氏担当の鈴木氏が謝罪、その際土下座したという話がある。(しかし実際には鈴木氏という編集者が萩原氏の担当にいた事実は無く、土下座ェ門というネーミングも入稿間際のドタバタの中で適当に決められたものらしい)そしてコミックス掲載時に描き直しを余儀なくされ、モンスターの名前も「鈴木土下座ェ門」に変わったというもの。……」 とある。 また『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』2巻発売から約半年後、新和が出版していた『オフィシャルD&Dマガジン』第6号(1989.4)p42にて、D&D翻訳・監修を行った大貫昌幸が自身のコラムで個人的立場から「D&Dの版権問題の巷の噂」について説明している。 ・版権問題にうるさいのは新和ではなくTSRであり、仮に他出版社からD&Dが発売されていても同様の状況になったであろう ・これは国民性の違い とした上で「JR東日本が京葉線舞浜駅開設に当たって「東京ディズニーランド前」と命名しようとオリエンタルランドに許可を求めたら、名称の使用料を請求されたため現在の駅名に変更した(実際にはより多くの事情があった、と注釈されている)」という例を出し、オリエンタルランドとしても宣伝効果よりもディズニーの意向、ひいてはアメリカの版権や著作権を尊重せざるを得なかったことを述べ、その上で新和にも同人誌などが規制されていない日本の国民性をTSRに説明してゆくことを希望している。 冒頭にもある通り、ビホルダー(beholder)という名称自体は一般的な名詞である。その為、英語圏では商標登録ができず、外見や能力などD&Dの設定がこの名で使われることが著作権の侵害にあたる。現在、ビホルダー含めWotCのオープンゲームライセンスの“製品の独自性(Product Identity)”によって保護されているいくつかの怪物には同様の注意が必要である。
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