仁馬山古墳
名称: | 仁馬山古墳 |
ふりがな: | じんばやまこふん |
種別: | 史跡 |
種別2: | |
都道府県: | 山口県 |
市区町村: | 下関市延行・有富 |
管理団体: | |
指定年月日: | 1991.05.15(平成3.05.15) |
指定基準: | 史1 |
特別指定年月日: | |
追加指定年月日: | |
解説文: | S52-06-017[[仁馬山古墳]じんばやまこふん].txt: 仁馬山古墳は、下関市街の北方、響灘に注ぐ[[綾羅木]あやらぎ]川右岸の郷台地上にあり、台地の南縁に沿って前方部を西に向けた前方後円墳である。全長は74メートル、後円部径46メートルを計り後円部は3段に築成している。前方部はかなり短小で、前方部幅は後円部径のほぼ2分の1となる。葺石・埴輪はみとめられない。後円部の中央には盗掘壙があるが、埋葬施設は明らかでない。前方部の北側には濠の痕跡かとみられる凹地があり、陪塚と思われる小円墳2がみとめられる。 郷台地周辺には史跡綾羅木郷遺跡内の若宮古墳など多くの古墳がみられるが、本古墳はこれらのなかでは最も古い時期のものと推定され、当地における古墳の発達を考える上できわめて重要な意義をもつものである。 なお、仁馬山古墳の東北方約70メートルのところに植松古墳がある。長門地方唯一の方墳として貴重であり、また、あい前後した築造時期を想定しうるものであり、指定地域に含めるものである。 |
仁馬山古墳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/15 13:29 UTC 版)
仁馬山古墳 | |
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所在地 | 山口県下関市延行 |
位置 | 北緯34度0分49.87秒 東経130度56分31.93秒 / 北緯34.0138528度 東経130.9422028度座標: 北緯34度0分49.87秒 東経130度56分31.93秒 / 北緯34.0138528度 東経130.9422028度 |
形状 | 前方後円墳 |
規模 | 墳丘長75m 高さ8m(後円部) |
埋葬施設 | 粘土槨(内部に割竹形木棺) |
出土品 | 埴輪片 |
陪塚 | 2基 |
築造時期 | 4世紀後半 |
史跡 | 国の史跡「仁馬山古墳」 |
特記事項 | 長門地方第2位の規模 |
地図 |
仁馬山古墳(じんばやまこふん[1]/じんまやまこふん[2])は、山口県下関市延行にある古墳。形状は前方後円墳。国の史跡に指定されている。
長門地方(山口県西部)では第2位の規模の古墳で、4世紀後半(古墳時代前期)頃の築造と推定される。
概要
山口県西端、綾羅木(あやらぎ)平野を望む台地東端の斜面に築造された古墳である。2005-2008年(平成17-20年)に4次の発掘調査が実施されている[3]。
墳形は、前方部が未発達で古い様相の前方後円形で[3]、前方部を西北西方向に向ける。墳丘は後円部のみ3段築成で、全体的に極めて良好に遺存する[3]。墳丘長は約75メートルを測り、長門地方(山口県西部)では上ノ山古墳(下関市、非現存)に次ぐ第2位の規模になる。墳丘外表では埴輪片が確認されており、部分的に円筒埴輪列が存在したと推定される[3]。埋葬施設は粘土槨で、ほぼ完存する[3]。粘土槨内部には割竹形木棺が認められており、直径約1メートル・長さ約6メートルを測る長大な木棺になる[3]。そのほか、付近では陪塚とみられる小円墳2基(仁馬山北墳・仁馬山南墳)が認められている[1][3]。
築造時期は、古墳時代前期の4世紀後半頃と推定される[3]。若宮古墳(綾羅木郷遺跡内)など一帯に分布する多くの古墳の中では、最も古い時期の築造に位置づけられる[1]。被葬者は明らかでないが、山口県西部を治めたとされる穴門国造一族に比定する説がある[4]。
古墳域は1991年(平成3年)に国の史跡に指定されている[1]。
遺跡歴
- 1902年(明治35年)、古墳の所在報告(鍵谷徳三郎により「延行の瓢形墳」と紹介)[4]。
- 1973年(昭和48年)、実測調査[5]。
- 1991年(平成3年)5月15日、国の史跡に指定[1]。
- 2005-2008年(平成17-20年)、4次の発掘調査(下関市教育委員会、2010年に報告)[3]。
墳丘
墳丘の規模は次の通り[3]。
- 墳丘長:約75メートル
- 後円部 直径:約47メートル
前方部幅はほぼ後円部直径の2分の1を測る[1]。
陪塚
古墳周辺では、北側・南側に次の各1基の陪塚(陪冢)の築造が認められる[4]。
- 仁馬山北墳 - 円墳。畑地の開墾の際の削り残しとする説もある[4]。
- 仁馬山南墳 - 円墳。
文化財
国の史跡
脚注
参考文献
(記事執筆に使用した文献)
- 史跡説明板(山口県教育委員会・下関市教育委員会設置)
- 地方自治体発行
- 「仁馬山古墳」『山口県史』 資料編 考古1、山口県、2000年。
- その他
関連文献
(記事執筆に使用していない関連文献)
- 『史跡仁馬山古墳 -山口県下関市大字延行字神間ほか地内 史跡仁馬山古墳発掘調査報告書-』下関市教育委員会、2010年。
関連項目
外部リンク
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