にじ‐せんい【二次遷移】
二次遷移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 04:30 UTC 版)
まず土壌がすでに存在すること、そして基質である土壌に若干の生物、例えば土壌中の種子(埋土種子集団 soil seed bank)・地下茎・土壌動物などを含む場所から始まる遷移を二次遷移という。現代の地球上には、一次遷移が見られる場合というのはほとんどないため、我々が目にすることのできる遷移はおおむねこの二次遷移である。 日本で通常見かけるのは、例えば宅地造成のような開けた場所を作った場合、畑地を放棄した場合などである。いずれの場合も、現場に植生はなくとも、土壌があり、土壌中に種子や動植物の死骸などの有機物があるなど、草本が生育する条件は整っている。したがって、この場合、すぐに草本が侵入し、そこから遷移が始まる。数年で多年生草本が繁茂し、ほどなく陽樹の侵入も始まる。そこからは、ほぼ一次遷移と同じ経過を辿ることになる。 森林を伐採した場合は、若干異なった形になる。木がなくなっても、草は残っているし、肥沃な土壌もある。また、土壌中にはさまざまな植物の種子が含まれる。それに、木をすべて伐り倒したとしても、株が生きている場合が多く、根元から新芽が伸び始める。かといって、すぐに元の森林に戻る訳ではない。多くの場合、森林性の草本は一時姿を消す。一年目には一年性草本が一面にはえるが、森林性の植物の中でも強い日差しに耐えられる植物が伸び始めるので、翌年にはそれらが地表を覆う。また、森林内では発芽できないでいた陽樹の種子が発芽する。切り株からは元の森林の樹種の新芽が出始めるが、陽樹の芽はそれより早く伸び、一時的に陽樹の多い林になる。やがて陰樹がそれらに取って代わり、元の森林に戻って行く。このように、どの段階で、どのような撹乱が起きたかによって、そこから始まる遷移の状況は若干変わってくる。
※この「二次遷移」の解説は、「遷移 (生物学)」の解説の一部です。
「二次遷移」を含む「遷移 (生物学)」の記事については、「遷移 (生物学)」の概要を参照ください。
二次遷移と同じ種類の言葉
- 二次遷移のページへのリンク