争点ごとに分けた投票
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 07:48 UTC 版)
「日本国憲法の改正手続に関する法律」の記事における「争点ごとに分けた投票」の解説
憲法改正原案の発議は内容において関連する事項ごとに区分して行う(前出「憲法改正原案」の個別発議の原則、国会法第68条の3)と定めている。抱き合わせ発議はできず、別々に投票しなくてはならない。例えば質の異なる環境権創設と憲法9条改正を一緒にはできない(ただし安倍政権は安全保障関連法案などで抱き合わせ採決を多用、菅義偉内閣もデジタル庁関連法案で63本もの法案を束ねて短期で成立させた)。複数の法案を一つに束ねる手法は政権にとっては審議時間を短縮して早期成立を図れる利点があるが、丁寧な審議を難しくし、一部に問題がある場合でも賛否を明確にしづらくなるという問題点がある。そこで賛否が複雑な構成を持つ憲法9条を例に、憲法学者の木村草太は自衛隊明記か否かの国民投票をするなら「第一投票:日本が武力攻撃を受けた場合に、防衛のための武力の行使を認めるかどうか(個別的自衛権)」、と「第二投票:日本と密接な関係にある他の国が武力攻撃を受けた場合に、一定の条件の下で武力行使を認めるかどうか(集団的自衛権)」に分けてはどうかと提案する。二つは全く要件の異なるものだからである。このように発議をすれば、絶対護憲の人は「両方×」、個別的自衛権までの自衛隊明記に賛成の人は「第一投票○、第二投票×」、集団的自衛権も認めるべきだと考える人は「両方○」と投票すればよく、意見が明確になるという。
※この「争点ごとに分けた投票」の解説は、「日本国憲法の改正手続に関する法律」の解説の一部です。
「争点ごとに分けた投票」を含む「日本国憲法の改正手続に関する法律」の記事については、「日本国憲法の改正手続に関する法律」の概要を参照ください。
- 争点ごとに分けた投票のページへのリンク