主人公達の友と姉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:56 UTC 版)
「親なるもの 断崖」の記事における「主人公達の友と姉」の解説
道子(みちこ) 昭和2年4月の時点で11歳。栄養失調により体は小さいまま成長は止まっている。容姿に恵まれず、身売りの際に90円という安値に値踏みされ父親から疎まれるが、決して両親を憎まず親孝行な考えを持つ心優しい性格である。「富士楼」では醜さゆえ表に出せないことから下働きを命じられる。やや愚鈍な節があり、売られてきた日に客を取らされた松恵が客の男性と別室に移った際に何をしているのか知らず、武子に笑われながら何をしているのか教えられたが、「何故男性はそんな事を女性にするのか?」と理解に苦しんでいた。その後も華美な様相で客にもてはやされる梅や武子への羨望から女郎になることを望み、梅を通じて女将に懇願するが許されなかった。なお、この際道子が月経だと思っている出血は病気による物で、彼女は長く生きられないと女将が梅に話している。やがて「山羊楼」という他店に転売され念願の女郎となり、客への床づけの良さからのちに「幕西の大衆便所」と呼ばれるようになる。だがそこは客層・衛生面も劣悪な環境の店で、性病に罹患し視力も失う。 窮状を知った梅に連れられ衰弱した身体で足抜けしようとするが、追手に梅と間違えられて地球岬で突き落とされ命を落とす。 松恵(まつえ) 梅の姉。昭和2年4月の時点で16歳。遊郭に来るまでの道中、歩けなくなった梅を背負ったり、落ち込む武子を励ますなど優しい性格。妹の梅と共に「器量よしの姉妹」と女将に評される。父親が馬に蹴られ大怪我を負い働けなくなったことから、結婚を約束する男性が居ながらも引き離され、梅とともに幕西遊郭に売られる。 「富士楼」に来た当日、女将の独断により「一葉(いちよう)」という源氏名を与えられ、生娘のまま女郎として客を取らされ、直後にショックで首吊り自殺する。
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