中国人の投銭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 05:34 UTC 版)
中国人あるいは中華圏の人の間では、幸運などを願掛して小銭を池などに投げ入れる習慣がある。 日本では、2010年代前期半ばごろから、官民一体となってインバウンド消費を推し進めた成果として中国人観光客がどっと押し寄せたが、素晴らしい観光地であるがための願掛の投銭が、忍野八海などの禁止される地域でまで多発してしまい、社会問題になったりもした。注意されようとも自分がどうしてもやりたいことは構わずやってしまいがちな中国人の気質と、母国では日常的にやっているだけにそもそもなぜ悪いのかが今一つ納得できていないこともあってか、注意看板を立てても、ビラを配って周知徹底しようとしても、大した改善は見られなかった。 中国人のこの習慣が大事に発展してしまった例もある。中国人にとっては、素晴らしい空の旅(飛行機旅行)をする際の、搭乗する飛行機でさえも投銭の対象となっているのであるが、2017年6月27日、上海浦東国際空港で中国南方航空の飛行機に搭乗する予定であった80代の女性は、安全祈願として1元硬貨9枚を飛行機のジェットエンジンの空気取入口に向けて投げ、1枚が入ってしまった。そのため、フライトは5時間以上遅れる事態になった。この女性が厳しいお咎めを受けたという報道は無い。しかし、大きな代償を払うことになった人もいる。2019年、人生初の空の旅をしようとしていた20代の男性は、不用意にも搭乗予定のエアバスA320neoのジェットエンジンの空気取入口に向けて数枚の1元硬貨を投げてしまった。空港職は離陸前の点検でエンジン付近に落ちていた硬貨に気付き、その便(雲南祥鵬航空の格安便)のフライトはただちに取り止めとなった。男性は公共の秩序を乱した罪で10日間の拘留に処せられた。乗客のキャンセル費用や点検に回すことになった機体に係る諸費用などは、男性が全額を損害賠償することとなり、その額は日本円にして約186万円であった。硬貨のような硬い物がエンジンの内部に入り込んでしまうことは設計上想定されておらず、入り込んでしまった場合、エンジンの損傷は避けられず、最悪の場合は大破する。飛行機に向けて投銭をしてはならない。
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