世界文化遺産登録に向けた取組
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 20:09 UTC 版)
「宇治茶」の記事における「世界文化遺産登録に向けた取組」の解説
2011年7月に京都府庁において、「日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録可能性検討委員会」(委員長:金田彰裕)が設立され、具体的な検討が始まった。この検討会では、対象となる資産として宇治茶に関する寺社や茶室、茶畑景観、茶の湯や煎茶道などの喫茶文化を含む「日本茶文化の代表的資産群~宇治茶と喫茶文化の発祥と継承の地~」としてコンセプトがとりまとめられ、世界文化遺産登録の可能性があると知事に報告された。 2012年8月には、委員会名称から可能性が削除され、「日本茶・宇治茶の世界文化遺産登録検討委員会」(委員長:金田彰裕)として、より対象資産を絞り込むなど具体化する方向の検討が進められた。この検討会では、宇治茶の産地が「抹茶」「煎茶」「玉露」という新しい茶種を生み出し、その技術を日本全国の茶産地に伝えた歴史を物語る文化的景観に注目し、覆下茶園や伝統的な茶工場、藁を取るための水田などを構成資産とする「日本茶のふるさと「宇治茶生産の景観」」としてコンセプトがとりまとめられた。このときに関連する寺社や国宝待庵を除く茶室が対象から外れた。このコンセプトは、2015年に日本遺産第一号の認定となった「日本茶800年の歴史散歩」のストーリーの基礎となっている。 2015年3月には、委員会名称から日本茶が削除され、「宇治茶世界文化遺産登録有識者会議」(座長:金田彰裕)として、緑茶の世界史における位置づけに注目した検討が進められた。この有識者会議では、古来中国で生まれ日本に伝わり、その後の中国では廃れた蒸し製緑茶を今に受け継ぐ世界の中で代表的な茶産地であることなど世界的な価値付けがされ、「日本茶のふるさと」という一国の価値には止まらないことからその語が削除され、「宇治茶の文化的景観」としてコンセプトがとりまとめられ現在に至っている。
※この「世界文化遺産登録に向けた取組」の解説は、「宇治茶」の解説の一部です。
「世界文化遺産登録に向けた取組」を含む「宇治茶」の記事については、「宇治茶」の概要を参照ください。
- 世界文化遺産登録に向けた取組のページへのリンク