世界の一体化という言葉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 07:54 UTC 版)
「世界の一体化」の記事における「世界の一体化という言葉」の解説
1953年、鈴木成高は「世界の一體化」のなかでアーノルド・J・トインビーが文明史の立場からダ=ガマ以後をそれ以前と峻別し、近世に着目して世界の一体化の進展を論じていることに着目した。そしてジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一周』を例示しながら、コミュニケーション革命の進展とその重大性について説きおこし、二度の世界大戦を経て世界の完全なる同時化が実現したと指摘している。 それ以後も、九里幾久雄「世界の一体化を中心とした世界史の構成」(1970年)、中山治一「世界の一体化」(1975年)など、この用語は広く使用された。 世界の一体化は、意味合いとしてはグローバル化やグローバリゼーションとほぼ同義である。学際的にグローバリゼーションの概念に取り組んだ伊豫谷登士翁編『グローバリゼーション』では、先駆者的な存在としてウォーラーステインの世界システム論を掲げている。ウォーラーステイン自身は、グローバリゼーションという言葉は1980年代の発明だとしている。 世界の一体化における分業関係は、ウォーラーステインが指摘し、平成11年改訂の高等学校地理歴史科「世界史A」学習指導要領が言及するように、経済的不平等・経済格差をともなっている。また、ここでいう一体化とは、経済的不平等を生み出しながらも互いに結びつきが深くなることを意味し、切り離すことがいよいよ難しくなる傾向や様態をあらわしており、同一化や平準化は含意していない。
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