上演史と翻案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 14:09 UTC 版)
「エドワード二世 (戯曲)」の記事における「上演史と翻案」の解説
アンドルー・ガーによれば、知られているうち最初の『エドワード二世』の上演はペンブルック伯一座(英語版)による1592年のもので、おそらくシアター座で上演された。ロスリン・ナットソンは『エドワード二世』の初期の上演について推測したことがある。評論 "Marlowe, Company Ownership, and the Role of Edward II" で、ナットソンは『エドワード二世』はエドワード・アレンとストレンジ一座のために書かれたと主張しているが、ペンブルック伯一座は『エドワード二世』をリチャード・バーベッジ(ウィリアム・シェイクスピアの劇団で最も著名な俳優)をエドワード役にして上演している。ナットソンは主張の論拠として、俳優に割り当てられた台詞、マーロウの複数の劇団との親交、イザベラの役を用いている。彼女は『エドワード二世』でのバーベッジの演技はシェイクスピアがバーベッジのために書いた役に影響を与えているとしている。 1594年に出版された最初の四折り版(英語版)は、『エドワード二世』はペンブルック伯一座(英語版)によって上演されたとしている。E・K・チェンバーズによれば、『エドワード二世』は作者不明の『ジャジャ馬ならし』及び『ヨーク公リチャードの真実の悲劇』とともに、書店で販売された3作の劇の1作——そしておそらく、その中でただ1作の、シェイクスピアが自作の題材にしなかった劇である。マシュー・マーティンはロジャー・バーンズによる1612年の『エドワード二世』のバージョンは——伝統的にこの劇の海賊版だとされてきたが——ジャコビアン時代のイングランドでこの劇がどのように受容されたかと、イングランド王ジェームズ1世による、論争を呼んだ男性の寵臣の昇格に興味を引かせるように、いかにして劇が改変されたかを明らかにしていると主張する。1622年の版の表紙は『エドワード二世』はレッド・ブル座(英語版)でアン女王一座(英語版)によって上演されたとしており、『エドワード二世』は17世紀に入っても盛んに上演されるレパートリーだったことを証明している。 『エドワード二世』は1961年11月にノッティンガム大学の学生演劇として再演された。1969年のトロント劇場におけるクリフォード・ウィリアムズ(英語版)演出の上演では、エドワード二世役のウィリアム・ハットやギャヴェストン役のリチャード・モネットなど、著名なストラトフォード演劇祭の俳優を起用していた。 1977年のBBCによる26話のラジオドラマ "Vivat Rex(国王万歳)" は最初の2話に『エドワード二世』の短縮版を含んでいた。ジョン・ハートがエドワードを演じた。 1991年、『エドワード二世』はデレク・ジャーマンによって映画に翻案された。この映画は現代的なコスチュームを使用し、ゲイライツ運動とストーンウォールの反乱に明示的に言及している。 2013年10月、新国立劇場は『エドワード二世』を森新太郎の演出で日本語上演した。 2019年1月、プロボの An Other Theater Company がユタ州初の上演を行った。この上演はジェッサミン・スヴェンソンとケイリー・アズール・グリーンの共同演出だった。 2019年12月、ノッティンガム大学の Nottingham New Theatre が59年前の初のリバイバル以来の再上演を行った。
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