一般社会における認識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 05:59 UTC 版)
「年齢主義と課程主義」の記事における「一般社会における認識」の解説
学校制度と本来的に無関係な場面においてすら、年齢主義と「15〜18歳の中卒者=高校に進学している」という「誤った前提」に基づき、課程主義の思想に裏打ちされた表現が随所に見られる。 例えば公的機関の説明文書でも、小中学校や、場合によっては高校も年齢主義によって運用されていることを前提としているものがある。例えば児童手当の説明文では、このように「小学校3年生まで」と学年基準で書かれているが、実際には小学校の学年が何年であっても、年齢によって受給資格が決まる。また、2010年から始まる子ども手当に関するリーフレットでは、支給できる年齢の上限を明記せず「中学卒業まで」と表記しているが、実際には学歴は関係なく15歳の4月1日の前日で打ち切られる。 また、厚生労働省と文部科学省の共同作成した予防接種のパンフレット においても、「中1、高3の年齢の皆さんも」や「中学1年生と高校3年生に相当する年齢の者」と表記しており、中学のみならず高校までも同学年同年齢であるかのような表現がなされている。実際には、予防接種は学年ごとではなく、特定年齢を対象にしたものであるが、このパンフレットにはその説明がない。また、ここでいう「高3の年齢」とは17〜18歳頃のことだが、「この年齢であれば、全員が高校に通っている」と決めつける、誤った前提に基づく表現であり、高校の非進学者の事情を考慮していない。 学校制度と無関係な薬学部門でも、学校の年齢主義に影響された表現が存在し、たとえばライオンの市販薬 小中学生用ストッパ のように、5〜14歳を対象としている物に対し小中学生用という表現を用いる例がある。 また、学資保険も満期年齢を最低在学年齢に固定する場合が多く見られ、顧客全員が同一年齢で学校を卒業することを前提とした商品作りとなっている。 ディズニーランドのチケット料金 においても、「中人(中学・高校生)12〜17歳」という、年齢と学校段階が同一視された表現があり、19歳以上の中高生や、高校の非進学者はいくらになるのか、問い合わせなければ分からない形となっている。 パナソニック製のある電球型蛍光灯の 広告 では、3万時間の寿命があることについて、「毎日10時間点灯しても8年2ヶ月と20日間。誕生した子供が小学3年生になるまでの実に長い寿命である」と謳い、生まれてから小学3年生になるまでの期間が全員同じであるかのような印象を抱かせるものとなっている。 2010年に検討された東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正案では、漫画などの創作作品に登場する非実在青少年が18歳未満であるかどうかの判断基準として、「年齢又は服装、所持品、学年、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの」との条文を設け、この部分に関する質疑に対し「ランドセルや制服、教室などが明らかに描写されている場合は、18歳未満と判断される。少女のように見えても、そうした点が表現されていなければ、18歳未満とはされない」と回答している。このように、「小・中高生=18歳未満」との見方を推進している。
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