一般社会における腋毛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/02 20:28 UTC 版)
現代では、西洋社会を中心に、多くの女性が化粧同様定期的に腋毛を剃るのが習慣となっている。それまでは、女性が頭髪、眉毛、まつげを除くほぼ全身の体毛を剃っていたローマ帝国時代を除き、長年にわたり腋毛を剃る習慣がなかったものの、1915年にアメリカの女性向けファッション誌"Harper's Bazaar"に掲載された広告に記載された、"Summer Dress and Modern Dancing combine to make necessary the removal of objectionable hair"(サマードレスとモダンダンスには、好ましくない毛の除去が必要)という一文が火付け役になり、その後安全カミソリの発明とともに、腋毛の剃毛が一般化していったとされている。まずはアメリカ、カナダで一般化し、第二次世界大戦後西ヨーロッパに普及、1990年代の冷戦崩壊後、旧東ヨーロッパにも普及した。 なお、イスラム教徒の場合、宗教的清めの意味として、男女とも腋毛を剃る習慣がある。 日本においては、大正時代以降、まずダンスホールで肩が露出する夜会服を着用する上流階級の女性を中心に腋毛の剃毛が普及した。谷崎潤一郎の小説「痴人の愛」(1924年)にも「洋服を着るには腋の下を剃るもんよ、此処が見えたら失礼じゃない」と、既にそのような習慣があったことを示す一文がある。しかし、一般女性に普及するのは、一般女性の多くが洋服を着用するようになった太平洋戦争後である。特に1950年代になりアメリカで流行したノースリーブが日本でも紹介され普及した際に、同時に腋毛を剃る習慣も普及、さらにノースリーブを着用しない女性にも、集団心理が拍車を掛けたこともあってか、女性のたしなみとして一般化していった。美容品テレビCMの影響も考えられる。1980年代半ばには黒木香が腋毛AV女優として話題になり、剃ることがふつうであると印象付ける役目をした。 マンガ・アニメ等では腋毛は原則として男性でも省略して描かれるのが定番であり、成人向けのマニアックなものや剛毛であることを表現するために、腋毛そのものを描くことが目的でない限りあえて描かれることはまずない。男らしい剛毛の記号としての胸毛やすね毛が描かれているキャラクターであっても、腋毛はないことがほとんどである。
※この「一般社会における腋毛」の解説は、「腋毛」の解説の一部です。
「一般社会における腋毛」を含む「腋毛」の記事については、「腋毛」の概要を参照ください。
- 一般社会における腋毛のページへのリンク