一般的な批判意見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:39 UTC 版)
山形大学理学部物質生命化学科准教授の天羽優子は2015年以降に、天羽が「客観的な効果が認められていない」とする自治体による岡山と広島の報告と自身の仮説を根拠に、EM推進派は「十分な実験的根拠を欠いたまま、政策としてEM利用の推進を求める署名を集めたり、有用微生物利活用推進議連を国会に作り、トップダウンで行政を動かしてEMの利用を勧めようとしている。つまり、科学の成果を社会に伝えて利用する手順を先に破っているのである」と指摘している。(なお2015年時点で自治体報告では効果ありの報告もある。#使用事例を参照。雑誌論文でも既に出版されている。#水質を参照。) このうち岡山の1996年の岡山県環境保護センター年報は、実際には効果について多様な報告である。 児島湖から障害となる植物プランクトンを採集し、試験管内でEMの有無にかかわらず繁殖した。 用水路では効果はあるが永久的ではなかったため再処置する必要があった。 小規模の池では透明度の向上やCODなどの改善が見られたが、閉鎖された池で効果を確認できなかった。 中規模の池では、土砂をさらった後にEMを施し、透明度を向上し悪臭を消したのは土砂をさらったためだと考えた。 しかし、いくら有用な微生物であったとしても、微生物が物理学の法則を超越できるわけがなく、放射能をどうこうできるわけもなく、そのような考えに及ぶのは科学ではなく、疑似科学、宗教であると批判されている。 物理学者の菊池誠の2004年の見解では、微生物による土壌改良や水処理はおかしくない考えとしながらも、万能を謳うことや他の研究者の批判に対する対応は、ニセ科学の観点から興味深いとした。2004年に工学者で環境問題を専門とする安井至による「市民のための環境学ガイド」では、似非科学の一つとして、EMが挙げられているが理由は書かれていない。(なお、EM否定派の寄付を受けた日本土壌肥料学会が、EMには研究による裏付けがないとしたのは1996年の話であり、その後研究が実施されてきた。#初期の相対する報告を参照) 物理学者の大槻義彦は、2012年にインチキ、アホと評し、その理由を「新興宗教をベースとしたEM菌詐欺まがいの集団」と述べた。
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