ヴィクター B.2
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「ハンドレページ ヴィクター」の記事における「ヴィクター B.2」の解説
イギリス空軍は、より高性能で特に上昇限度の向上した爆撃機を求めており、ヴィクターの改良型もそれに沿って検討された。まず、エンジンをサファイア9(推力62.4kN)に更新するフェイズ2と、ロールス・ロイス オリンパスまたはロールス・ロイス コンウェイに更新し、翼幅を42mまで拡大するフェイズ3である。サファイア9エンジンの開発はキャンセルされ、機体を大幅に改設計するフェイズ3の開発は時間が掛かることもあった。そのため、最少の改設計によりコンウェイ・エンジンを搭載するフェイズ2Aが提案され、これを推進することとなった.。 フェイズ2Aは、ヴィクター B.2として開発されることとなり、コンウェイRCo.11(推力76.7kN)が搭載された。エンジンのエアフロー確保のため、インテイクは拡大され、エンジン収納部も拡大されている。翼端の延長により全幅も36.6 mに拡大された。非常用のラムエアタービンも装備されている。ECM機材の冷却システムも拡充された。アンチ・ショックボディを主翼中ほどに付け、造波抵抗の軽減を図っている。ここにはチャフ散布装置も搭載された。 ヴィクター B.2の試作機(シリアルXH668)は1959年2月20日に初飛行している。機体は、100時間ほど飛行試験が行われ、A&AEEにおいて高空エンジン試験が行われていた1959年8月20日、ペンブルックシャー沖にて消息を絶っている。墜落した機体の残骸が捜索され、原因究明が行なわれた。1960年11月までに報告が取りまとめられ、飛行中に発生した右舷計測器機の不具合が基で、回復不能な降下に陥ったと推測された。小規模な改修により、この問題は解決され、ヴィクター B.2は1962年2月より配備が開始された。1963年までに34機が製造されている。 B.2のうち、21機がB.2Rに後に改装されている。B.2RはコンウェイRCo.17(推力92kN)を搭載し、ブルースチールミサイルの運用能力を有していた。ミサイルは胴体下に1発搭載する。 ハンドレページでは、改良型としてフェイズ6も提案している。機体が拡大され、燃料搭載量が増大するほか、武装として主翼下にスカイボルト空中発射弾道ミサイル4基の搭載できるものであった。B.2では、スカイボルト2基の搭載が検討されていたため、大幅な拡大型となる。アメリカ合衆国におけるスカイボルト開発が中止されたことに伴い、フェイズ6案も開発が中止された。 ヴィクターは運用方法が高空侵入から低空侵攻へと変更されたことに伴い、航続距離増大のために空中給油プローブが追加され、主翼下に大型増槽が装備された。塗装も対閃光防御の白色から二色迷彩へとなっている。航法・爆撃用に地形追従レーダーや側方監視レーダーの試験もなされたが、戦力化には至らなかった.。
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戦略爆撃機型、エンジンをR&R Conwayに換装。3機製造。更に製造された9機はSR.2に、他にも21機製造されたがそれらはB.2Rに改装された
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