ヴァンガード フェーズ2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/22 05:43 UTC 版)
「スタンダード・ヴァンガード」の記事における「ヴァンガード フェーズ2」の解説
1953年3月のジュネーヴ・モーターショーではスリーボックス型ノッチバックのデザインを取り入れた広範囲なスタイリングの変更が行われたヴァンガード フェーズ2が披露された。内容的にはビッグマイナーチェンジと言うべきもので、ノッチバックが乗用車スタイルの主たる趨勢となった時流を反映していた。 トランクの容量はフェーズ1と比べ50 %拡大され、更に大きくされた後部窓により視認性も改善されていた。機械機構の変更はほとんどなかったがクラッチ操作がケーブル式から油圧式になり、エンジン圧縮比が7.2:1へと高められていた。前モデルで装着されていたスタビライザーは既に使用されておらず、接地性能の向上のため6.00x16の幅広タイヤが装着されていた。 オプションのオーバードライブ無しのこの車を『ザ・モーター』誌がテストし、最高速度80 mph(130 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速に19.9秒、23.5 ml/英ガロンの燃料消費率を記録した。 1954年2月にスタンダードはメーカーオプションとしてディーゼルエンジンを提供した英国で最初の自動車製造会社となった。シャーシは重くなったエンジンに対処して強化されており、最高速度は65 mph(105 km/h) に低下していた。ガソリンエンジンと同様にこのディーゼルエンジンはファーガソン(Ferguson )のトラクター向けに開発されたスタンダード自製の「20C」エンジンであった。トラクターに搭載されたエンジンはその用途上、回転数2,200 rpm、出力25 hp(19 kW)にガバナーで低速制限されていたが、ヴァンガードに搭載された自動車用は制限が解除され、60 hp(45 kW)/3,800 rpmの出力を発生して、ガソリンエンジンモデルには及ばないが一応の動力性能を確保していた。しかしながら、このエンジンは冷間始動時に手動で操作しなければならないトラクターの「Ki-ガス」(Ki-Gass )、デコンプやオーバー・フュエリング方式といったものを引き継いでおり、経済性はともかく、実用上の取り扱いは面倒なものであった。1,973台のディーゼル版のヴァンガードが生産された。 1954年に『ザ・モーター』誌はディーゼルエンジン版をテストし、最高速度66.2 mph(106.5 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速に31.6秒、37.5 ml/英ガロン(7.35 L/100 km;31.2 mpg-US)の燃料消費率を記録した。テスト車は、税込みで£1,099であった。
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