ヴァンガード フェーズ1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/22 05:43 UTC 版)
「スタンダード・ヴァンガード」の記事における「ヴァンガード フェーズ1」の解説
この車は従来型のシャーシにプリムス等を思い起こさせる米国車に影響を受けた半流線型の4ドア・ボディを載せていた。サスペンションは前輪がコイルバネを使用した独立懸架、後輪がリーフスプリングで吊ったリジッドアクスルで、前後輪共にスタビライザーを備えていた。ブレーキは全輪油圧式の9 in (228 mm) ドラムブレーキであった。車内空間を稼ぎ出すためにコラムシフトを採用したが、これも先行したアメリカ車に倣った流儀である。 戦後の英国における外貨獲得のための「輸出か死か」とまで言われた輸出優先政策に則り、実質最初の2年間の全生産が輸出に回された。イギリス本国市場での販売開始はようやく1950年になってから始まった。ヴァンガードは意図して輸出を重視しており、特にオーストラリア市場に焦点を当てていた。戦後すぐの頃は車の供給が不足しており、「売り手市場」の状況を生み出していたため、ヴァンガードの入手難は消費者の購入意欲を助長した。 1950年にエステートが追加され、ベルギー向けのみであったがコーチビルダーのインペリア(Impéria )でコンバーチブルも造られた。既存トランスミッションに追加するレイコック・ド・ノーマンビル製オーバードライブ(Laycock-de-Normanville overdrive)は1951年から選べるようになった。 ヴァンガードを輸入していたスイスの代理店はAMAGという精力的な会社で、スイス市場向けにヴァンガード フェーズ1の現地組み立てを行なった。同社は後にスイスでのフォルクスワーゲンの独占販売権を獲得している。 1952年には部分的マイナーチェンジを受けた。ボンネットが低められ、後部窓が拡大され、オリジナルよりも細かな縦桟に幅広のクローム製バーを配した新しいグリルを備えた。 1949年に英国の『ザ・モーター』誌がヴァンガードをテストし、最高速度78.7 mph(126.7 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速に21.5秒、22.9 ml/英ガロン(12.3 L/100 km;19.1 mpg-US)の燃料消費率を記録した。テスト車は、税込みで£671であった。 グリルが簡略化された1952年モデル ロンドンの英空軍博物館に展示されているヴァンガード。この車はV爆撃機の搭乗員を乗機まで運ぶのに使用された。
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