ロードバイクのコンポーネントが二社にしぼられた理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/01 01:31 UTC 版)
「コンポーネント (自転車)」の記事における「ロードバイクのコンポーネントが二社にしぼられた理由」の解説
かつては多くのメーカーが製造していたコンポーネントであるが、現在は三社のみが製造しており、事実上シマノとカンパニョーロの二社で市場を席巻している。ここまでメーカーが減少した理由は、シマノとサンツアーによるシェア争いによるところが大きい。 1980年代の初めまでは、前2段、後ろ5段といったところが変速機の主流で、台座に取り付けられたフリクションタイプ(無段階)のシフトレバーで操作するというものであった。この時は日本での高級品のシェアはサンツアーが優位であったが、そこにシマノが1982年、SIS(Shimano Index System、段階式の変速機)を投入、経験の有無を問わず容易な操作性が評価され、徐々に支持を集めるようになった。更にシマノは、多段化(84年には後ろ6段に)などを成功させ、シェアをのばしていった。1989年にSTI (Shimano Total Integration) コンセプトを打ち出し、その製品群の中で革新的なアイテムとなった1991年のデュアルコントロールレバー投入により、ハンドルの握り位置を変えないまま同時に変速とブレーキングが可能になり、操作性が大幅に向上。従来品に対して重量面でのデメリットがあったものの、結果的にはプロレーサーからも圧倒的な支持を得ることになった。 カンパニョーロは後年、デュアルコントロールレバーと同等の機能を持った「エルゴパワー」を投入し、シェアを維持した。これに対して、サンツアーはコンポーネントαシリーズや「Olé」にインデックスシステム「AccuShift」を投入。ノーマルブレーキレバーの横にウイングナットのような形状のシフトレバーを取り付け手元変速を可能にする「コマンドシフト」を発表したもののそこまでで、次第にシェアを落とし、ついには生産を停止した。 しかしMTB用のコンポーネントを供給してきたSRAM社が2006年末からロード用コンポーネントの市販を開始したほか、2007年のプロチームへの供給を発表した。後発の利点を生かした機構・デザインを盛り込んでおり、完成度は高いが、2007年の段階では生産コストの都合からか、二大メーカーに比べて高価であり、大きく市場に食い込むまでには至っていない。 マヴィックも以前にロードバイク用コンポーネントを販売していたが、市場に食い込めず、現在では変速機の製造からは撤退している(ブレーキアームとスプロケットは生産している)。
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