レジャーの多様化へ向けて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 02:10 UTC 版)
「小田急ロマンスカー」の記事における「レジャーの多様化へ向けて」の解説
7000形LSE車 東海道本線を走行するLSE車 しばらくは特急ロマンスカーについては大きな動きはなかったが、1970年代に入るとSE車の老朽化が進み、代替を検討する時期となっていた。このため、SE車の代替を目的として、1980年に7000形が登場した。7000形は "Luxury Super Express" 、略して「LSE車」と呼ばれる車両で、編成長や定員はNSE車と大きく変わらないものの、デザインや主要機器などが一部変更されている。LSE車の導入により、特急の輸送力増強が図られた。1982年12月には、国鉄からの申し入れにより、東海道本線上での走行試験にLSE車が使用された。国鉄の路線上で私鉄の車両が走行試験を行なった事例は、SE車とこのLSE車だけである。 1984年2月1日からは、連絡急行「あさぎり」の停車駅に本厚木・谷峨が追加され、1985年からは「あさぎり」も定期乗車券での利用が可能となった。また、1986年10月4日からは、LSE車の車内に公衆電話が設置された。 10000形HiSE車 20000形RSE車 この時期になると、レジャーの傾向は多様化が進んでおり、ゆとり以外に「一味違ったもの」が求められていた。また、観光バスや他の鉄道事業者の車両においては高床(ハイデッキ)構造の車両が登場しており、折りしも1987年は小田急の開業60周年となることから、これを記念するために新型特急車両として10000形が登場した。10000形は "High decker" 、 "High grade" 、 "High level" 、 "High performance" などのキーワードから連想する、上級というイメージを表して「HiSE車」と呼ばれ、客席を高くしたハイデッキ構造とし、「走る喫茶室」にオーダーエントリーシステムが採用されたほか、外装も近代的なイメージを意図したカラーリングに変更した。 一方、1988年7月、小田急が東海旅客鉄道(JR東海)に対し、連絡急行「あさぎり」に使用していたSE車の置き換えを申し入れたことがきっかけとなり、特急に格上げした上で両社がそれぞれ新形車両を導入した上で相互直通運転に変更し、運行区間も新宿と沼津の間に延長することとなり。1991年に20000形が登場した。20000形は "Resort Super Express" 、略して「RSE車」と呼ばれる車両で、JR東海371系電車と基本仕様を統一したため、それまでの特急ロマンスカーの特徴であった連接構造や前面展望席は採用されず、2階建て車両(ダブルデッカー)や特別席(スーパーシート・グリーン席)を設置するなど、それまでの小田急ロマンスカーの仕様からはかけ離れた車両となった。
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