リース・ヴォン・スタイン事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 07:11 UTC 版)
「ダンジョンズ&ドラゴンズに関する論争」の記事における「リース・ヴォン・スタイン事件」の解説
1988年にノースカロライナ州ワシントン市で起こったノースカロライナ州立大学の学生による殺人事件は、D&Dの否定的なイメージをさらに広めた。クリス・プリチャードという青年が、200万ドルの遺産を目当てに義父リース・ヴォン・スタインの殺害を画策した疑いがあるという事件であった。ヴォン・スタインは寝室にいるところを覆面の人物に襲撃され、鈍器と鋭利な刃物によって致命傷を受けていた。その場にいた妻ボニーも負傷した。 クリス・プリチャードは長年にわたって義父と互いに敵意を抱き合っていた。州の調査官は1年間のうちに、プリチャードが大学で不健全な交際を営んでいたことを暴き出した。さらにプリチャードにはアルコールと薬物の摂取歴があった[要出典]。しかしながら、ヴォン・スタイン邸を描いたゲームマップが物的証拠として提出されたことから、大学当局はプリチャードが参加していたTRPGのグループを槍玉に挙げた。プリチャードの友人であったジェラルド・ニール・ヘンダーソンとジェームズ・アップチャーチは、プリチャードが義父を殺害する計画に加わっていた。三人は1990年にともに州刑務所に収監された。ヘンダーソンとプリチャードは後に仮釈放されたが、アップチャーチは1992年に死刑から終身刑に減刑されつつもいまだ服役中である。 犯罪ドキュメンタリー作家、ジョー・マクギニスとジェリー・ブレッドソーはTRPGが果たした役割を強調した。アップチャーチがダンジョンマスターとしてグループ内で影響力と権力を行使していた点に特に注意が払われた。ブレッドソーの著書『ブラッドゲームズ』(Blood Games)は1992年に『オナー・ザイ・マザー』(Honor Thy Mother)としてテレビ映画化された。同年、マクギニスの著書『クルーエル・ダウト』がイヴ・シモノー監督により同題で前後編のテレビドラマ(Cruel Doubt)となった。『クルーエル・ダウト』の撮影には実際のTRPG製品(AD&Dプレイヤーズハンドブック)が用いられたが、殺人の要因になったという印象を強めるようにイラストレーションなどが改変されていた。
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