ラスター表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/26 07:47 UTC 版)
ラスター表現(英: raster representation)は、2次元画像を表現する方式のひとつである。点が線状に並んだもの(ラスター線)を平行に並べた面として画像を表現する。「raster」とは、熊手のようなもので面を線状になぞる事を意味し、ブラウン管で画像を表示する時の走査線の様子から、その表示領域もそう呼ぶ。ラスター表現では多くの場合、画像の表現精度がディスプレイの表示能力と標本化定理に左右され、特に低解像度ではエイリアシング現象によるジャギーと呼ばれる階段状のギザギザが現れる。ラスター表現による画像は「ラスターイメージ」あるいは「ラスターグラフィックス」と呼ぶ。 ビットマップ画像は、コンピュータでラスター表現を処理する形式であり、デジタルなラスターイメージの一種である。狭義のビットマップ画像(上記の白黒画像やWindows bitmap)と区別する意味で、ラスターイメージと呼ぶ方が正確であると主張するものもいる。 ピクセルの集まりに過ぎないラスター表現では幾何図形を直接表現することはできず、ベクターイメージを「ラスタライズ」または「スキャン変換」と呼ばれる処理によってラスターイメージに変換する必要がある。例えば、良く知られた線分のラスタライズ法のひとつにブレゼンハムのアルゴリズムがある。一般的なコンピュータシステムでは、ラスタライズ処理はグラフィックスAPIのソフトウェアやGPUハードウェア、プリンターが内蔵するラスターイメージプロセッサ(RIP)によっておこなわれる。なお、3次元コンピュータグラフィックスなど、ラスタライズ工程を部分として含むのみ(例えばOpenGLやDirect3Dのグラフィックスパイプラインなど)の場合では、画像処理全体は「レンダリング」と呼ぶことが多い。
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