ラジオの放送倫理に抵触する人為事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 21:13 UTC 版)
「放送事故」の記事における「ラジオの放送倫理に抵触する人為事故」の解説
1952年8月29日 文化放送『昼の演芸』その日は「立体落語」と題し、鶯春亭梅橋作の新作落語『あゝ世は夢かマボロシか』をラジオドラマ仕立てで放送していた。12時30分頃、「国技館で開催中のサーカスからゴリラが四谷方面へ脱走した」という場面の表現の際、実際に用いられる臨時ニュースのチャイムを鳴らし、アナウンサー役に実際の局アナ・佐藤利彦を起用したため、ニュースを本物と信じた多数の聴取者が、ほかの放送局や上野動物園などに電話で問い合わせたほか、放送内容を承知していない自局のスタッフが報道部に駆け込むなど、広くパニックを引き起こした。事態を重く見た文化放送は同日16時、17時、18時の3回、お詫びのアナウンスを放送。番組プロデューサーが譴責処分を受けたほか、業界内で報道に関する表現方法の転用に関する番組基準が厳格化された。 1998年5月15日 AIR-G'『GOLGO』19時から1時間放送される生放送番組終了間際の19時51分頃、パーソナリティーの大泉洋・安田顕(TEAM NACS)の両者が学生リーグのアメリカンフットボール選手に拉致されるという演出が行われた。これは、AIR-G'と関わりが深いテレビ局であるHTB『水曜どうでしょう』の企画(「十勝二十番勝負」)によるものだったが、演出の過程で数十秒間に渡りラジオを無音にする副次的な現実の放送事故を引き起こしたほか、実際に事件が発生したと信じた視聴者からの問い合わせが殺到した。直後に同テレビ番組の出演者兼構成作家の鈴井貴之が飛び入り出演し放送上で事情を説明したが、エフエム北海道・HTBの両社に苦情が寄せられた。この一部始終は『水曜どうでしょう』1998年5月27日放送回(同企画の第一夜)にて放送されたが、再放送版の『どうでしょうリターンズ』には当該演出の部分がカットされ、『水曜どうでしょうClassic』では企画自体が欠番。DVD版に収録された程度だった。
※この「ラジオの放送倫理に抵触する人為事故」の解説は、「放送事故」の解説の一部です。
「ラジオの放送倫理に抵触する人為事故」を含む「放送事故」の記事については、「放送事故」の概要を参照ください。
- ラジオの放送倫理に抵触する人為事故のページへのリンク