ヨハネスブルグサミット(WSSD)
2002年8-9月南アフリカのヨハネスブルグにおいて開催された首脳会議。この会議は、「アジェンダ21」が採択された1992年の国連環境開発会議(リオ・デ・ジャネイロで開催)から10年が経過したのを機に、同計画の実施促進やその後に生じた課題等について首脳級の議論を行うことを目的に企画された。「リオ+10」とも言われ、世界104カ国の首脳、190を超える国の代表、また国際機関の関係者のほかNGOやプレスなど合計2万人以上が参加した。
「アジェンダ21」をより具体的な行動に結びつけるための包括的文書である「行動計画」及び首脳の持続可能な開発に向けた政治的意志を示す「ヨハネスブルグ宣言」が採択され、さらに自主的なパートナーシップ・イニシアチブに基づく200以上の具体的プロジェクトが登録された。
我が国から、小泉首相(当時)が出席し、教育の重要性を訴えた。米沢藩の「米百俵」の事例や、アフリカのガーナで医学研究に捧げた野口英世を紹介し、野口英世医学賞が設立されるきっかけとなった。ストックホルムにおける国連人間環境会議(1972)やリオデジャネイロサミット(1992)に比較すると、成果が明確でないという批判がある。21世紀初頭に提唱された、MDGs(21世紀開発目標)、地球温暖化防止をはじめとする、国際社会が提唱してきた開発・環境・人権などの諸課題が再確認されたという点では意義が深い。このサミットではESD(Education for sustainable development)の重要性が提唱された。(山本秀樹)
参考URL:外務省 ヨハネスブルクサミット ホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/wssd/inde...
持続可能な開発に関する世界首脳会議
(ヨハネスブルグ・サミット から転送)
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持続可能な開発に関する世界首脳会議(じぞくかのうなかいはつにかんするせかいしゅのうかいぎ、英語: World Summit on Sustainable Development; WSSD)は、2002年8月26日から9月4日まで(首脳による会議は9月2日から9月4日まで)南アフリカ共和国のヨハネスブルグで国際連合により開催された、地球環境問題に関する国際会議のことである。ヨハネスブルグ・サミット、地球サミット(特に「地球サミット2002」「第2回地球サミット」「ヨハネスブルグ地球サミット」など)、環境開発サミット、持続可能な開発に関する世界サミット、リオ+10などとも呼称する。
概要
1992年にブラジル連邦共和国のリオ・デ・ジャネイロ市において「環境と開発に関する国際連合会議」が開かれ、持続可能な開発を旨とする「アジェンダ21」が採択された。持続可能な開発に関する世界首脳会議は、それから約10年後に開かれた会議であり、地球環境問題に対する取り組みを評価する意味もあった。すなわち、「アジェンダ21」の実施状況を点検し、今後の取り組みを強化することが、この会議の大きな目的であった。
持続可能な開発に関する世界首脳会議には、1992年の環境と開発に関する国際連合会議と同様に、ほぼすべての国際連合の加盟国や多くの非政府組織 (NGO) が参加し、最終的には「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言」などが採択された。 そのほかにも、各国や多様な関係主体によって、数多くの文書が作成された。
この会議をめぐっては、先進国と開発途上国との格差をめぐる南北問題の深刻化を受けて、問題に対する真剣な取り組みが感じられないという批判もあり、国際社会における地球環境問題の扱いに深刻な課題が生まれてきていることを指摘する声もある。
関連項目
外部リンク
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