モンパルナス駅とは? わかりやすく解説

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モンパルナス駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/21 14:44 UTC 版)

モンパルナス駅
メインエントランス
Paris-Montparnasse
(3.665 km) バンブ=マラコフ
所在地 パリ14区15区ラウル=ドートリー広場フランス語版
管理者 フランス国鉄(SNCF)
所属路線 パリ-ブレスト線フランス語版
LGV大西洋線直通列車含む)
キロ程 0.000 km(モンパルナス起点)
開業年月日 1840年9月10日
乗換 モンパルナス=ビヤンヴニュ駅メトロ
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モンパルナス駅フランス語: Gare Montparnasse)はフランスの首都パリにある、フランス国鉄(SNCF)の主要ターミナル駅の一つである。

所在地

パリ市の南よりのモンパルナス地区にある。行政区では14区15区にまたがっている。なお、かつてメトロにもモンパルナス駅(Gare Montparnasse)が存在したが、1942年にメトロのビヤンヴニュ駅と統合されモンパルナス=ビヤンヴニュ駅となった。

利用可能な路線、列車

主にフランス西部、南西部方面行の列車の始発駅である。なお、パリから西方向へ向かう路線はサン・ラザール駅始発のものもあり、ヴェルサイユなどへは双方から路線がある。この場合モンパルナス発のものを左岸(Rive Gauche)線、サン・ラザール発のものを右岸(Rive Droite)線と呼ぶ。

メトロモンパルナス=ビヤンヴニュ駅と接続しており、乗り換えが可能である。パリの主要ターミナル駅では唯一RERとの接続がない。

歴史

モンパルナス駅の起源は1840年に開業したパリ-ヴェルサイユ左岸線の起点駅である。開業時には「メーヌ城門桟橋(Embarcadère de la barrière du Maine)」と呼ばれていた。当時まだ存在していたフェルミー・ジェネロの城壁の外側の、現モンパルナス駅とほぼ同じ位置にあった。

1849年シャルトルまでの路線が開業すると駅は手狭になった。また現在のパリ市境にあたるティエールの城壁1844年に完成しており、フェルミー・ジェネロの城壁は不要となっていた。そこでより市街地に近いモンパルナス大通りに接する位置に駅を移転することになり、ヴィクトール・ルノワールの設計による新駅が1852年に開業した。

1855年にはフランス西部の鉄道会社数社が合併し西部鉄道が発足した。モンパルナス駅は西部鉄道のパリに2つあるターミナルのうち、セーヌ川の左岸側に位置していたことから「西駅-左岸(Gare de l'Ouest - Rive gauche)」の別名でも呼ばれた。なお「右岸」駅はサン・ラザール駅である。

1895年の事故

1895年10月22日にモンパルナス駅で起きた鉄道事故(詳細は「モンパルナス駅脱線事故」を参照)は、死亡者こそ1名に留まったものの、鉄道史に刻まれる衝撃を残した。

グランヴィル発モンパルナス行の列車(蒸気機関車+荷物車3両、郵便車1両、客車8両)が、自動空気ブレーキの動作不良のため減速できずに駅に進入した。機関車は車止めを乗り越え駅舎を突き破り、先端が約9m下のレンヌ広場の馬車鉄道停留所に落下した。駅前で新聞を売っていた女性に駅舎の破片が当たり死亡した。また乗客と機関士火夫を含む数名が負傷した。事故の際に連結器が外れたため、客車はすべて駅内部にとどまっていた。事故現場を撮影した写真が2枚残っており、衝撃的な画像としてしばしば使用される。ロックバンド・MR. BIGは1991年に発表したアルバム『リーン・イントゥ・イット』のジャケットに機関車を右側から捉えた写真(右の画像の左側のもの)を使用した。

1900年には線路4本とホームが増設されたが、第一次世界大戦後にはそれでもホーム不足が深刻になってきた。そこで1929年に、当時の駅よりも南のメーヌ広場(現ビヤンヴニュ広場)とヴォージラール大通りの南側に到着列車用のメーヌ駅(Gare du Maine)が作られた。この位置はほぼ現在のモンパルナス駅の位置である。1934年にはメーヌ駅に出発用のホームも設けられ、長距離列車はメーヌ駅、近郊列車はモンパルナス駅と使い分けられるようになった。

1944年パリの解放では、モンパルナス駅が重要な舞台となった。8月25日、南側からパリに入城した自由フランス軍第2機甲師団のフィリップ・ルクレールはモンパルナス駅に司令部を置き、ドイツ軍との市街戦の指揮をとった。同日16時頃、ドイツ軍のパリ駐留部隊司令官フォン・コルティッツが駅に出頭し、ルクレールとの会談の後降伏した。

1960年代に入ると、パリの再開発の一環としてモンパルナス駅を南に移転してメーヌ駅と統合し、跡地にオフィスビルとショッピングセンターを建設することになった。新駅への移転は1965年に行われた。この時点では駅舎は頭端側(現ポルト・オセアン)のみであり、パスツール大通りは単なる跨線橋だった。旧駅の跡地には1972年モンパルナス・タワーが完成した。

1989年LGV大西洋線開通に伴うTGVの乗り入れのため、駅は更に増改築された。1987年には駅舎(ポルト・オセアン)の改築が行われた。1991年にはパスツール大通りを挟む形でホーム上にオフィスビルが建てられ、その下にパスツール駅舎が作られた。1995年にはホーム上がすべて人工地盤で覆われたアトランティック庭園が完成した。

駅構造

巨大な橋上駅舎
屋上庭園
コンコース
乗り場の様子
駅とアトランティック庭園フランス語版の断面図

南北方向に28線(東から1〜24番線および25〜28番線)の線路がある。ホームはすべて北側が行き止まりの頭端式ホームである。駅全体が北向きの傾斜地にあるため、北側では高架駅だが南側では掘割状の構造になり、パスツール大通りフランス語版跨線橋が駅の上を通っている。25〜28番線は他のホームから離れてパスツール大通りの南側にある。

モンパルナス駅には3つの駅舎がある。

ポルト・オセアン(Porte Océane)
モンパルナス1(Montparnasse 1)とも呼ばれる。1〜24番線ホームの北側(頭端側)にある。最も主要な駅舎であり、地上部にラウル=ドートリー広場フランス語版メーヌ大通りフランス語版への出入り口、地下1階にメトロへの連絡通路、2階(日本式表記では3階)部分にホームがある。ホーム頭端部のコンコースをオール・メーヌ(Hall Maine)と呼ぶ。
パスツール駅(Gare Pasteur)
モンパルナス2(Montparnasse 2)とも呼ばれる。パスツール大通りの北側、1〜24番ホームの南よりの上に位置する橋上駅舎であるが、コンコースはパスツール大通りの1つ下の層にある。このコンコースをオール・パスツール(Hall Pasteur)と呼ぶ。駐車場タクシー乗り場と直結している。
ヴォージラール駅(Gare Vaugirard)
モンパルナス3(Montparnasse 3)とも呼ばれる。パスツール大通りの南側、25〜28番ホームの頭端側に位置する。他の駅舎、ホームとは24番ホーム上の動く歩道で結ばれている。

これら3つ、特にヴォージラール駅と25〜28番ホームは地図や時刻表などで別の駅として扱われることがある。

ホームは原則として以下のように使い分けられている。

  • 1〜9番線 : TGV inOuiとOuigo
  • 10〜17番線 : トランジリアンN線
  • 18〜24番線 : TERサントル=ヴァル・ド・ロワールとされているが、TGVも多く利用する。
  • 25〜28番線 : TERサントル=ヴァル・ド・ロワールおよびTERノルマンディー

トランジリアンN線用ホームの入口には自動改札機が設置されている。

パスツール大通りより北側のホーム上は人工地盤で覆われており、その上にアトランティック庭園フランス語版と呼ばれる庭園がある。

利用状況

近年の年間乗降人員の推移は下表の通り。[1]

2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
年間利用客 55167664 55162747 57752742 59174533 61374056 32447396 41039816 56862435 64471254
年間乗降客数
(非旅行者含む)
68930603 68903364 72096492 73296351 76622775 40623410 51402955 71219734 80757023

駅周辺

駅北側の旧モンパルナス駅跡地には、パリで最も高い超高層ビルモンパルナス・タワーと、ギャラリー・ラファイエットなどが入るショッピングセンターがある。旧駅跡地の東側の通りをデパール(Départ、出発)通り、西側をアリヴェ(Arivée、到着)通りというが、これは旧駅舎の左(東)側が出発用、右(西)側が到着用と使い分けられていた名残である。

その北側の旧駅前広場(1940年6月18日広場、旧称レンヌ広場)からはパリ中心部へ向かってレンヌ通り英語版フランス語版が一直線に延びている。これは駅開業後にオスマンパリ改造の一環として作られたものである。通りの名はモンパルナス駅発の鉄道沿線の主要都市であるレンヌから取られた。

モンパルナス駅やその周辺にはレジスタンス運動パリの解放を記念したものが多くある。旧駅前広場の名称「1940年6月18日広場」は、シャルル・ド・ゴールが亡命先のロンドンから徹底抗戦を呼び掛ける放送を行った日付に由来する。また駅屋上のアトランティック庭園北側にはフィリップ・ルクレールジャン・ムーランを記念する博物館がある。庭園内の歩道には「第2機甲師団(Deuxième division blindée)」や「ドロンヌ大尉(Capitaine Dronne、パリに一番乗りした戦車中隊の中隊長)」といった名がつけられている。これら旧跡の他駅周辺にはクレープを扱う店が多数軒を連ねている。

メトロ・バス

メトロ461213号線モンパルナス=ビヤンヴニュ駅はモンパルナス駅の北側にあり、オセアン駅舎の地下一階で直接つながっている。6、13号線のホームはモンパルナス駅から比較的近くにあるが、4、12号線ホームは遠く離れている。

オセアン駅舎前のラウル=ドートリー広場フランス語版には「モンパルナス駅(Gare Montparnasse)」バス停があり、パリ市内各地への路線バスが発着する。また、オセアン駅舎東側のコマンダン=ルネ=ムショット通りフランス語版にはエールフランスの運行するシャルル・ド・ゴール空港オルリー空港行のバスの停留所がある。

パスツール駅舎前には「モンパルナス2・TGV駅(Montparnasse 2 Gare TGV)」バス停があり、ヴォージラール駅舎近くのコタンタン通りフランス語版には「コタンタン・モンパルナス3(Cotentin Montparnasse 3)」バス停がある。いずれも「モンパルナス駅」バス停に比べ発着する路線は少ない。

隣の駅

フランス国鉄(SNCF)
ボルドー=サン=ジャン駅
アングレーム駅英語版フランス語版
マッシーTGV駅
トゥールーズ・マタビオ方面
TGV inOui 終点駅
ボルドー=サン=ジャン駅
アジャン英語版フランス語版方面
TGV inOui 終点駅
ボルドー=サン=ジャン駅
マッシーTGV駅
アンダイエ方面
タルブ英語版フランス語版方面
TGV inOui 終点駅
ボルドー=サン=ジャン駅
アングレーム駅英語版フランス語版
アルカション英語版フランス語版方面
TGV inOui 終点駅
ボルドー=サン=ジャン駅
アングレーム駅英語版フランス語版
ポワチエ駅英語版フランス語版
シャテルロー駅フランス語版
サン・ピエール・デ・コール駅
ヴァンドーム=ヴィリエ=シュル=ロワール=TGV駅
ボルドー=サン=ジャン方面
TGV inOui 終点駅
ニオール駅英語版フランス語版
ポワチエ駅英語版フランス語版
サン・ピエール・デ・コール駅
ラ・ロシェル=ヴィル英語版フランス語版方面
TGV inOui 終点駅
ヴァンドーム=ヴィリエ=シュル=ロワール=TGV駅
ポワチエ英語版フランス語版方面
トゥール方面
TGV inOui 終点駅
ラヴァル駅
ル・マン駅
カンペール英語版フランス語版方面
ロリアン英語版フランス語版方面
ブレスト方面
ランニオン英語版フランス語版方面
サン・マロ英語版フランス語版方面
レンヌ方面
ル・マン方面
TGV inOui 終点駅
アンジェ=サン=ロー駅英語版フランス語版
サブレ=シュル=サルト駅フランス語版
ル・マン駅
マッシーTGV駅
レ・サーブル=ドロンヌ英語版フランス語版方面
ル・クロワジックフランス語版方面
サン=ナゼール英語版フランス語版方面
ナント英語版フランス語版方面
TGV inOui 終点駅
ボルドー=サン=ジャン駅
アングレーム駅英語版フランス語版
マッシーTGV駅
トゥールーズ・マタビオ方面
Ouigo 終点駅
ボルドー=サン=ジャン駅
ポワチエ駅英語版フランス語版
サン・ピエール・デ・コール駅
マッシーTGV駅
ボルドー=サン=ジャン方面
Ouigo 終点駅
ポワチエ駅英語版フランス語版
ラ・ロシェル=ヴィル英語版フランス語版方面
Ouigo 終点駅
レンヌ駅
ブレスト方面
Ouigo 終点駅
ル・マン駅
カンペール英語版フランス語版方面
ナント英語版フランス語版方面
Ouigo 終点駅
レーグル駅英語版フランス語版
ヴェルヌイユ=シュル=アーヴル駅英語版フランス語版
ドルー駅英語版フランス語版
ヴェルサイユ=シャンティエ駅
グランヴィル方面
TERノルマンディー英語版フランス語版(Krono) 終点駅
ドルー駅英語版フランス語版
ヴェルサイユ=シャンティエ駅
ポントルソン=モン=サン=ミシェルフランス語版方面
アルジャンタン英語版フランス語版方面
TERノルマンディー英語版フランス語版(Krono) 終点駅
ヴェルサイユ=シャンティエ駅
ル・マン方面
ノジャン=ル=ロトルーフランス語版方面
TERサントル=ヴァル・ド・ロワール英語版フランス語版 終点駅
エペルノン駅フランス語版
ヴェルサイユ=シャンティエ駅
ル・マン方面
シャルトル英語版フランス語版方面
TERサントル=ヴァル・ド・ロワール英語版フランス語版 終点駅
ヴェルサイユ=シャンティエ駅
ドルー英語版フランス語版方面
トランシリアンN線 終点駅
ヴェルサイユ=シャンティエ駅
ビロフレー=リヴ=ゴーシュ駅フランス語版
バンブ=マラコフ駅
ランブイエ英語版フランス語版方面
トランシリアンN線 終点駅
バンブ=マラコフ駅
マント=ラ=ジョリー英語版フランス語版方面
プレジール=グリニョンフランス語版
トランシリアンN線 終点駅

脚注

  1. ^ “Fréquentation en gares: Paris Montparnasse”. 2024-09-06. 2024年9月25日閲覧..

関連項目

外部リンク





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