メタバースと暗号資産の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 03:51 UTC 版)
「日本メタバース協会」の記事における「メタバースと暗号資産の関係」の解説
日本メタバース協会は、「国内ではメタバースへの理解度が低い」とし、その原因の一つを、「メタバースを支えるブロックチェーンやNFTの技術を理解している人が少ない」として、メタバースの成立にブロックチェーンやNFTといった暗号資産技術の存在を当然の前提条件としている。これに対して、大手ゲーム関連メディアのAUTOMATONでは、「暗号資産業者が音頭とる構図に疑問の声」として、メタバースに暗号資産を関連付ける同協会の姿勢に対するメタバース利用者の懸念を伝えている。 メタバースとはコンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された現実世界とは異なる3次元の仮想空間やそのサービスのことを指すが、暗号通貨とは非中央集権的なデジタル通貨を指し、暗号通貨は通貨としてメタバース内での決済に使われることがあるに過ぎない、メタバースとは直接的には関連のない別個の概念である。 メタバースの中にはThe Sandbox(英語版)や Decentraland(英語版)のように、暗号通貨を主軸として組み込んだ投機性の高い世界も存在する一方、2021年現在ほとんどのメタバースは暗号通貨と関連が無く、一例として、一億人以上のアクティブユーザーを擁する世界最大のPCゲーム配信プラットフォームSteamでは、ブロックチェーンやNFTのソフトウェアへの組み込みが明示的に禁止されており、5万点を超えるSteam上のソフトウェアは全て暗号資産と関係がない。 同プラットフォーム上に展開するソーシャルVRプラットフォームであり、著名なメタバースであるVRChatでも配信元のSteamの規約に従い、暗号資産が禁止されている。VRChat上では、100万人の参加者を集めた世界最大のメタバース上のマーケットイベントであるバーチャルマーケットが開催されたが、規約に違反するとして、NFT関連の商品が撤去されたことも報じられている。 このような状況の中、暗号通貨技術がメタバースに必須であると定義する日本メタバース協会に対し、大手ITニュースサイトのITmediaでは、「今のメタバースにとって、ブロックチェーンやNFTは「周辺技術」であり、メタバースを支える技術とはとても言えない」と批判し、3Dアバターファイルフォーマット「VRM」の開発者のMIROは「暗号通貨、NFTがメタバースの概念と親和性が高いのは否定しないですが、勝手に必要条件に格上げしないでいただきたい。技術にはそれぞれコストとメリットのバランスがあり、先に実現したいことがあり、それに対し最適な技術を選択するべき。最初から採用する技術ありきで結論出そうとしないでほしい」として、暗号通貨ありきとする日本メタバース協会に苦言を呈した。
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