ミャクミャク
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ミャクミャク MYAKU-MYAKU |
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対象 | |
分類 | 2025年大阪・関西万博の公式キャラクター |
モチーフ | 2025年大阪・関西万博のロゴマーク |
デザイン | mountain mountain (代表:山下浩平) |
生年月日 | 2022年3月22日(デザイン決定日)[1] |
備考 | 商標権者:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(デザイン商標登録番号:6656708[2]、ネーム商標登録番号:6651183〈ミャクミャク〉・6738004〈MYAKU-MYAKU〉) |
公式サイト | 公式キャラクターについて(公益社団法人2025年日本国際博覧会協会) |
ミャクミャク(みゃくみゃく、 英語: MYAKU-MYAKU[3])は、2025年開催の日本国際博覧会(大阪・関西万博)の公式キャラクター[4][5][6]。
5つの眼球やその周囲に細胞に似た形の輪がついているなど、怪異な化けもの的キャラクターデザインが特徴である[7][8]。
ここではミャクミャクを題材としたテレビアニメ『はーい!ミャクミャクです』並びに施設「ミャクミャク ハウス」についても併せて述べる。
概要

ミャクミャクは2020年8月に決定した公式ロゴマークがモチーフになっている[4]。
デザインは2021年11月1日から同年12月1日までウェブサイトでの一般公募[9](応募数1,898作品[10])を経て2022年3月2日に最終候補作品が候補Aから候補Cまでの3作品に絞り込まれたのち[11]、同日から3月10日までに募集された一般からの意見を参考に、3月22日に現キャラクターである候補作品Cが最優秀作品として選出された[1]。キャラクターの青い部分は、自在にかたちを変化させる「水」を、赤い部分は生命の象徴である「細胞」をイメージしている[10]。
名称は3万3197件の公募から、開幕1000日前にあたる2022年7月18日午前に決定され[12]、同日開催された記念イベント「1000 Days to Go!」内で発表された。岸田文雄首相は、歴史、伝統、文化、世界とのつながりを脈々(みゃくみゃく)と引き継ぐ、そういった意味が込められている愛称であると説明した[13]。

開幕1000日前イベントではじめて着ぐるみのキャラクターとして登場してからは、各地のイベント会場などで大阪・関西万博のPR活動にいそしみ[14]、2023年7月には初の海外渡航を果たしてフランスのパリで開催されたジャパン・エキスポでPR活動を行った[15]。また、2024年4月13日に東京都港区で開催された開幕1年前イベントにおいてはアニメーション動画のミャクミャクにかぶせて声が初披露された[16]。
反響
2020年8月に公式ロゴマークが発表されると、万博テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」から当初はロゴマークが「いのちの輝きくん」と呼ばれ二次創作が続出していた[4]。
ロゴマークをモチーフにデザインされた[4]ミャクミャクの公式キャラクターが発表されると、キャラクターデザインの怪異らしさが注目を集める。フランスで開催された「ジャパン・エキスポ」に登場した際には、来場者から「不思議、私は好き」「いいんじゃない。でも少し変ね。どっちかというと面白い。」「笑っているからいいけどさ・・・じゃないと怖いね」といった感想が出た[15]。
二次創作
名称の発表直後からSNS等のインターネット上では「ミャクミャク様」「民間信仰の神様のようだ」などと二次創作やファンアートも多く投稿され、3年ぶりに開かれたコミックマーケットでは「ミャクミャク」のコスプレをするなど人気を集めた[7][17]。
こうした盛り上がりを受け、2025年日本国際博覧会協会の担当者は弁護士ドットコムの取材に「大変うれしく思っている」とした上で、ガイドラインや注意点等のルールのもとで適切に二次創作を楽しんで欲しいと回答した[17]。2022年8月30日、日本国際博覧会協会は非営利であれば「ミャクミャク」に似た作品の制作(絵画、デジタル画像、ぬいぐるみ、衣装等)や、二次創作物の画像や動画をSNSやブログ(個人のもの)に投稿することを認めるガイドラインを発表した[18]。
デザインした山下浩平は「今あるデザインが最終形態ではない。二次創作を楽しんでほしい」と話している[19]。
2024年4月に、ミズノからミャクミャクをモチーフとしたスニーカーの予約販売が開始された[20]。
2024年11月には、読売テレビ放送(YTV)が所有するテレビ中継車など4台の放送用の車両に、車体の側面と背面に「ミャクミャク」と万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を表現した公式ロゴマーク、それに読売テレビの公式キャラクター「シノビー」のラッピングがあしらわれることが発表された[21]。
テレビアニメ
メディアミックス作品として、ミャクミャクの公式キャラクターが主人公になるテレビアニメーション作品が放送された[22][23]。作品名は『はーい!ミャクミャクです』。アニメーション制作はファンワークスが担当[24]。
日本の万博マスコット関連のテレビアニメが制作・放映されたのは『モリゾーとキッコロ』以来、約19年ぶりとなった[25][26][27]。
はーい!ミャクミャクです
話数 | 放送日 | サブタイトル |
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第1話 | 2025年3月3日 | ミャクミャクとおっちゃん |
第2話 | 2025年3月3日 | ミャクミャクと温暖化 |
第3話 | 2025年3月4日 | ミャクミャクと未来 |
第4話 | 2025年3月4日 | ミャクミャクとSDGs |
第5話 | 2025年3月5日 | ミャクミャクと生き物 |
第6話 | 2025年3月5日 | ミャクミャクと友達 |
第7話 | 2025年3月6日 | ミャクミャクとフードロス |
第8話 | 2025年3月6日 | ミャクミャクとさよなら? |
制作
万博の意義・テーマを訴求しつつ、4コマ漫画風に制作された[24][28]。
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- 監督・演出:沼口雅徳
- 脚本:細川徹
- 演出:半田朋美
- CG:吉田健・長嶺義則・鈴木啓太
- 背景:松井久美・髙田圭瑛・松井直美・成島真衣・森田志穂
- 2D素材:住田千加子
- 音楽:羽深由理
- 音楽プロデューサー:千田耕平・宮川阿子
- 音響効果:松井謙典
- キャスティング:高石茜
- 編集:金井猛・高澤麻衣
- キャラクターデザイン:2025MLO
- プロデュース:降矢治彦(2025年日本国際博覧会協会)・畑中靖史(2025MLO)
- 監修:半田英彦(2025MLO)・野見山将太(2025MLO)
- 制作管理:高山晃
- アニメーションプロデューサー:折本全代
- 制作進行:鈴木陽貴
- アニメーション制作:ファンワークス
- 制作・著作:2025年日本国際博覧会協会/2025MLO
登場キャラクター
- ミャクミャク[28]
- 35億年前に生まれた不思議な生きもの。ある日街にやってくる。
- おっちゃん[28]
- ミャクミャクに声をかけ、一緒に暮らすことになるタクシー運転手。
- ナオヤ[28]
- ミャクミャクを街で見て気になり大好きになる。
声の出演
放送内容
※3月4日のみ23時50分〜23時54分
2025年日本国際博覧会
ミャクミャク ハウス
大阪・関西万博開幕当日となる2025年4月13日に「ミャクミャク ハウス」が同万博内にオープンした[29]。
ミャクミャク ハウスではミャクミャクのプロフィール紹介やグッズ展示、アニメ版のコーナー、ミャクミャクとの記念撮影ができるフォトスポットなどが設置されている[29]。
この施設は当初はエルサルバドル館が開設される予定としていたが、2024年12月に同国が大阪・関西万博への出展を辞退することを表明したことから、急遽ミャクミャク ハウスが開設された経緯がある[30]。
ミャクミャクぬいぐるみ盗難事件
2025年5月13日、ラトビアとリトアニアが共同出展した海外パビリオンのバルト館において、入口付近に置かれていた全長40センチメートルほどのミャクミャクのぬいぐるみが盗難被害にあった[31]。事件化は望んでいないとして、両国は警察に被害届は出さないとしたが、ミャクミャクは両国の名産であるポルチーニきのこの形をした同館のゆるキャラ「バラビちゃん」と共に飾られており、バラビちゃんは「一人ぽっち」になってしまい、この事件は悲しい出来事として注目を浴びた[31][32]。盗難の情報が広まると、多くの人が同館にミャクミャクのぬいぐるみを次々と寄贈し始め、5月20日時点では、18体のミャクミャクがバラビちゃんと共に同館入り口に並べられているまでになった[33]。
脚注
出典
- ^ a b 『大阪・関西万博 公式キャラクターデザイン最優秀作品が決定』(プレスリリース)2025年日本国際博覧会協会、2022年3月22日 。
- ^ “商標照会(固定アドレス) 登録6656708”. 特許情報プラットフォーム. 独立行政法人 工業所有権情報・研修館. 2025年1月21日閲覧。
- ^ “Expo 2025 Osaka, Kansai, Japan Official character nickname “MYAKU-MYAKU” decided” (英語). Japan Association for the 2025 World Exposition. 2022年8月22日閲覧。
- ^ a b c d “公式キャラ愛称「ミャクミャク」 開幕1000日前イベント―大阪・関西万博:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2022年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月18日閲覧。
- ^ “大阪・関西万博公式キャラクター愛称が「ミャクミャク(MYAKU-MYAKU)」に決定”. 2025年日本国際博覧会協会. 2022年8月22日閲覧。
- ^ “【政界地獄耳】談合東京オリンピックの教訓、万博で生かす気もない”. 日刊スポーツ (2022年12月9日). 2022年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月9日閲覧。
- ^ a b “大阪万博キャラ、愛称決定で“ミャクミャク様”とあがめられる 「村の土着神ぽい」「畏怖の対象に戻った」”. ねとらぼ. 2022年7月19日閲覧。
- ^ “ネットで「信仰」集める「ミャクミャク様」、二次創作も続々 ガイドラインはないの? - 弁護士ドットコムニュース”. 弁護士ドットコム. 2022年8月22日閲覧。
- ^ 『大阪・関西万博 公式キャラクターデザイン公募について』(プレスリリース)2025年日本国際博覧会協会、2021年10月15日 。
- ^ a b 「大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」、誕生の秘密」『読売新聞オンライン』2023年11月29日。オリジナルの2025年1月14日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『大阪・関西万博 公式キャラクターデザイン最終候補作品3作品を発表』(プレスリリース)2025年日本国際博覧会協会、2022年3月2日 。
- ^ “「言いたくなる」万博キャラの愛称が決定、SNSでも反響大”. Lmaga.jp (2022年7月18日). 2024年3月13日閲覧。
- ^ “大阪万博の公式キャラクターの愛称「ミャクミャク」に決定”. デイリースポーツ online (2024年3月13日). 2024年3月13日閲覧。
- ^ “ミャクミャク出演イベントのお知らせ”. 2025年日本国際博覧会協会. 2025年1月21日閲覧。
- ^ a b 「「ミャクミャク」 2025年の大阪・関西万博の公式キャラ 初海外での反応は…」『ANNニュース』2023年7月14日。オリジナルの2024年3月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「万博公式キャラ・ミャクミャクが声を初披露 小声で「こんにちは」」『毎日新聞ニュースサイト』2024年4月13日。オリジナルの2024年9月10日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “ネットで「信仰」集める「ミャクミャク様」、二次創作も続々 ガイドラインはないの? - 弁護士ドットコムニュース”. 弁護士ドットコム. 2022年8月22日閲覧。
- ^ “「ミャクミャク様」二次創作ガイドラインを正式策定 非営利・個人利用なら画像や動画のSNS投稿OK”. ORICON NEWS. 2022年8月30日閲覧。
- ^ “大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」、誕生の秘密”. 2024年4月21日閲覧。
- ^ “【予約/2025 大阪・関西万博】ザ ミズノエナジー OSAKA EXPO2025[ユニセックス]”. 2024年4月21日閲覧。
- ^ 【公開】読売テレビの中継車に大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」が登場!
- ^ “制作費は受信料?「無駄使いにもほどがある」深夜のNHK “ミャクミャクアニメ”に賛否”. ライブドアニュース. 2025年3月19日閲覧。
- ^ “エピソード - アニメ「はーい!ミャクミャクです」 - NHK”. 2025年3月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 株式会社インプレス (2025年2月10日). “万博キャラのミャクミャク、NHKでアニメ化。総合で3月放送”. AV Watch. 2025年2月10日閲覧。
- ^ “愛・地球博公式マスコットキャラクター 「モリゾーとキッコロ」がアニメーション化 公式ウェブサイトもオープン”. 愛・地球博. 2005年日本国際博覧会協会 (2004年3月31日). 2025年3月10日閲覧。
- ^ “アニメ モリゾーとキッコロ 第2シリーズ 放送決定!”. 愛・地球博. 2005年日本国際博覧会協会 (2005年1月7日). 2025年3月10日閲覧。
- ^ “アニメ モリゾーとキッコロ「迷子のおたまじゃくし」”. NHKクロニクル. 日本放送協会 (2005年8月27日). 2025年3月10日閲覧。
- ^ a b c d “「ミャクミャク」深夜アニメになる NHKで3月放送”. ITmedia NEWS. 2025年2月10日閲覧。
- ^ a b “ミャクミャクの全てがわかる、ミャクミャクに会える、ミャクミャクと記念撮影ができる、「ミャクミャク ハウス」がオープンします!”. EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト. 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 (2025年4月8日). 2025年5月7日閲覧。
- ^ 猪原章、足立壮 (2025年5月6日). “撤退12か国「跡地」盛況、苦肉の策が大当たり…ミャクミャクハウスに長蛇の列・イベントホールも日程目白押し”. 読売新聞. 2025年5月7日閲覧。
- ^ a b “ミャクミャクぬいぐるみ盗まれる バルト館は事件化望まず「バラビちゃんが一人になりました。友人がいなくなりました」万博会場内での盗難にがっかり”. MBS News. 毎日放送 (2025年5月16日). 2025年5月23日閲覧。
- ^ 黒川信雄 (2025年5月23日). “ミャクミャク盗難騒ぎの万博バルト館 みどころ「未来の壁」バラビちゃんがお出迎え”. 産経新聞. 産経新聞. 2025年5月23日閲覧。
- ^ 箱谷真司 (2025年5月20日). “バルト館に次々届くミャクミャク 事件きっかけも「日本人に感謝」”. 朝日新聞.com. 朝日新聞. 2025年5月23日閲覧。
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、ミャクミャクに関するカテゴリがあります。
- 公式キャラクターについて – 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
- 大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」プロモーションビデオ(90秒) - YouTube
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