バラビちゃん
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/24 20:32 UTC 版)
バラビちゃん(ラテン文字表記: Barabi-chan[1])は、2025年日本国際博覧会においてラトビアとリトアニアが海外パビリオンのバルト館を共同出展した際に、同館公式アンバサダーを務めるキノコの形をしたキャラクターでマスコットである[2][3]。バルトの森のスピリットを表現している[3]。
概要

ラトビアとリトアニアの名産であるポルチーニ茸がモチーフとなっており[2]、名称の「バラビ」はポルチーニの両国での呼称[3]、ラトビア語ではバラヴィカまたはバラヴィーカ(Baravika)、リトアニア語でバラヴィカス(Baravykas)に由来する[4]。ポルチーニのフォルムに太い一本眉、でっぷりとしたお腹には緑の葉を頭にたくわえるバルトで唯一自生するナッツであるヘーゼルナッツが埋め込まれた形になっているのが特徴で[5]、人の顔をしたヘーゼルナッツの頬にはスポーツ観戦者が良くするような両国の国旗のフェイスペインティングが施されている。緑の「苔のスニーカー」を両足ともに履いており[5]、本人は喋れることを主張している[6][注釈 1]。パラビちゃんは、10代の頃から日本のアニメが好きだったというリトアニアのクリエイティブ・プロデューサーのSergej Grigorjevによってデザインされ[5]、日本のマスコット文化に敬意を示して作られた[4]。
リトアニアなどの地域で森に生えるキノコは野生の食材であり、森でのキノコ狩りは人々に浸透していることから、同地域の歴史と伝統文化を反映するものであり、また菌類であることから地下の菌糸を通じて森林生態系全体を結びつけており、世界中の人々すべてがつながっていることを想起するものであり、バルト館の今回のメインテーマ「We are one[注釈 2]」にも沿っていることから採用された[1][2][7]。多くの人が、ポルチーニは幸運をもたらすシンボルと信じている事も採用の理由となった[1][4]。
2025年1月に東京でお披露目され、日本のテレビで紹介されると、今度はその日本のテレビ番組で放映されたことがラトビアのテレビのニュースとなった[4]。
2025年5月13日、大阪・関東万博開催中に、バルト館の入口付近のフロントカウンターに置かれていた全長40センチメートルほどの万博公式マスコットであるミャクミャクのぬいぐるみが盗難被害にあった[8]。事件化は望んでいないとして、両国は警察に被害届は出さないとしたが、ミャクミャクはバラビちゃんのフィギュアと共に飾られており、バラビちゃんは「友達」[9]を失い「一人ぼっち」になってしまい、この事件は悲しい出来事として注目を浴びた[8]。盗難の情報が広まると、多くの人が同館にミャクミャクのぬいぐるみ、ミャクミャクの形をした風船[10]、万博カラーの招き猫[11]などを次々と寄贈し始め、5月20日時点では、18体のミャクミャクがバラビちゃんと共に同館入り口に並べられているまでになった[12]。この一連の流れはラトビアの国営テレビ「LTV」でも報じられた[11]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c “We are one” (英語). baltics2025expo.com(バルト館英語公式ウェブサイト. EXPO 2025 – The Baltics – Latvia and Lithuania – We are one. 2025年5月23日閲覧。
- ^ a b c 黒川信雄 (2025年5月23日). “ミャクミャク盗難騒ぎの万博バルト館 みどころ「未来の壁」バラビちゃんがお出迎え”. 産経新聞. 産経新聞. 2025年5月23日閲覧。
- ^ a b c Expo2025 大阪・関西万博 @expo2025japan (2025年3月9日). “バルトパビリオン公式アンバサダー バラビちゃんをご紹介”. www.instagram.com. インスタグラム. 2025年5月23日閲覧。(
要登録)
- ^ a b c d Miksons, Kārlis (2025年1月17日). “Latvian, Lithuanian mascot for Expo 2025 is a mushroom” (英語). eng.lsm.lv. Latvian Public Service media. 2025年5月23日閲覧。
- ^ a b c “#baltics2025expo #weareone #barabichan #expo2025 | The Baltics at Expo 2025 Osaka”. baltics2025expo. Linkedin (2025年4月). 2025年5月24日閲覧。(
要登録)
- ^ “Yes, mushrooms can speak!”. baltics2025expo. Instagram (2025年2月7日). 2025年5月24日閲覧。(
要登録)
- ^ a b “違いはあれどひとつ”. baltics2025expo.com(バルト館日本語公式ウェブサイト). EXPO 2025 – The Baltics – Latvia and Lithuania – We are one. 2025年5月23日閲覧。
- ^ a b “ミャクミャクぬいぐるみ盗まれる バルト館は事件化望まず「バラビちゃんが一人になりました。友人がいなくなりました」万博会場内での盗難にがっかり”. MBS News. 毎日放送 (2025年5月16日). 2025年5月23日閲覧。
- ^ “ミャクミャクが連れ去られた? バルト館「無事帰って」SNSで訴え”. 毎日新聞. 毎日新聞 (2025年5月16日). 2025年5月23日閲覧。
- ^ “大阪・関西万博 バルト館 ミャクミャクぬいぐるみ持ち去られる”. NHKニュース. 日本放送協会 (2025年5月16日). 2025年5月23日閲覧。
- ^ a b 社会班 (2025年5月19日). “ミャクミャク「連れ去り」劇、ラトビア国営テレビも報道 プレゼント続々でバルト館キャラに「友達10人以上」”. J-CAST ニュース. 2025年5月24日閲覧。
- ^ 箱谷真司 (2025年5月20日). “バルト館に次々届くミャクミャク 事件きっかけも「日本人に感謝」”. 朝日新聞.com. 朝日新聞. 2025年5月23日閲覧。
外部リンク
- 2025年日本国際博覧会バルト館公式ウェブページ
- オーレリウス・ジーカス駐日リトアニア大使Xページ(
要登録)
- ミャクミャク盗難前のバラビちゃん画像(
要登録)
- 友達増えたバラビちゃん画像(
要登録)
- ミャクミャク盗難前のバラビちゃん画像(
- バラビちゃんのページへのリンク