ミッドデッキでの微小重力実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/10 23:12 UTC 版)
「STS-50」の記事における「ミッドデッキでの微小重力実験」の解説
STS-50での実験はほとんどがUSML-1で行われたが、Protein Crystal Growth、Astroculture、Zeolite Crystal Growth等はコロンビアのミッドデッキで行われた。 Protein Crystal Growth実験は14回目のスペースシャトルでの実施となったが、USML-1により、グローブボックスを用いて初めて、最適な成長条件を実現できるようになった。HIV逆転写酵素複合体(AIDSの複製の鍵となる酵素)や因子D(ヒト免疫システムの重要酵素)を含む34のタンパク質から約300のサンプルが作られた。そのうち約40%のタンパク質についてX線結晶構造解析が行われた。大きさと収量の増加は、このミッションでは結晶の成長時間が長くなったためである可能性がある。X線結晶構造解析により各タンパク質の3次元構造が決定されると、合理的な薬物設計を通じて各タンパク質の活性を制御するのに役立つ。 Astroculture実験は、微小重力で植物の成長を支えるのに利用する水配送システムを評価するものである。宇宙での植物の成長は、人間の長期宇宙滞在にとって、食料、酸素の供給、水の浄化、二酸化炭素の除去等に有用である。微小重力では、地球上とは液体の振舞いが異なるため、地球上の植物への水供給システムは、微小重力環境では使えない。 Zeolite Crystal Growth実験は、グローブボックス内で混合された38の独立したサンプルを処理する。ゼオライトの結晶は、洗濯洗剤の添加物や廃棄物の浄化用途として、体液を浄化するために用いる。
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