ミス・ディレクションとは? わかりやすく解説

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ミスディレクション【misdirection】

読み方:みすでぃれくしょん

誤った指導誤認に導く説明

手品推理小説などで、観客読者注意を、手品の種や事件の真相などからそらすこと。また、そのために用いるもの。→レッドヘリング


ミスディレクション

作者バーバラ・セラネラ

収載図書殺しグレイテスト・ヒッツ
出版社早川書房
刊行年月2007.1
シリーズ名ハヤカワ・ミステリ文庫


ミスディレクション

読み方みすでぃれくしょん
【英】:Misdirection

主に手品世界で使われる用語で、客に注目してもらっては困るところから客の目線心理をうまくそらすこと。

ボールジャグリング中には手品のようにボールを消すトリックがある。フェイクのような要領一方の手2イン1ハンドをし、もう一方の手をその周りに動かす。いつの間にか手に持ったボール消えているのである

実際ボールスムーズな動きなかでも一方の手中に置いているのだが、客にはボール消えたように見える。このような錯覚全ての手品錯覚と言ってもいい)を作り出そう思った

・客は動いているものの方を注目する
・客は演者視線の方を注目する

というミスディレクションの重要な原理知っておけばいい。つまりボールを手に置いた後もその手動かしつづけ、視線その手追いかけると客の視線もそれにつれて動く。ふとそこにボールがないことに気づきボール空中消えたような錯覚生まれのである

ボール落としたときに、あれは何だ!とあらぬ方向を指すのもいわば1つのミスディレクションかも…(?)


ミスディレクション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/03 07:18 UTC 版)

ミスディレクション英語: Misdirection)とは、注意意図していない別の所に向かせる現象テクニックのこと。

主にマジックで用いられ、観客の注意を別の場所にそらす手法として知られる。右手に注目している間に左手で何かになる動作を行う、などとして使用される。また、誤った指導や誤認に導く説明としても使用されることがある。

マジックにおけるテクニック

マジックでは中核的な技術であり、巨大な舞台イリュージョンから小さなクロースアップマジックでも用いられる。手の技術や視線のコントロール、言語によるコントロールによって成り立つ。

初めてミスディレクションという単語を造ったのが誰かは不明であるが、マジシャンであり作家のハーラン・ターベル英語版は「ほとんどの指先の技術を使ったマジックは、ミスディレクションによってできている」[1]と述べており、マジックの百科事典の著者であるT.A.ウォーター英語版は、「ミスディレクションは、ほとんどのマジックの成功の礎である。それなしでは、最も卓越した技術や、機械仕掛けを使ったとしても真のマジックを起こすことはできない」と記している[2]

スリの技術や、スポーツのフェイントとして使用されることもあり、漫画『黒子のバスケ』では、主人公の黒子がミスディレクションをバスケにおいて用い、注意を逸らし、気づかれずにパス回しをして勝利を掴む描写がある[3]

創作におけるミスディレクション

マジック同様に読者や観客の意識を新相からそらす目的で用いられる技法である。燻製ニシンの虚偽とも呼ばれる。例えば推理小説において、あたかも被害者のダイイングメッセージかのように、真実とは異なる内容を犯人が書き記し、捜査を遅らせるなどの表現で用いられる。

メンタルトレーニングへの応用

医師でありマジシャンの志村祥瑚は、「ミスディレクションを使ってメンタルトレーニングに応用できる」と主張しており、新体操日本代表チーム「フェアリージャパン」においてミスディレクションを用いたトレーニングを行っている[4]

ミスディレクション(人々の注意をそらすことで、本来見るべきものを隠すことができるテクニック)を、マジックを用いて視覚的にわかりやすく説明することで、自分のフォーカスをコントロールできるようにトレーニングしており、スポーツにおいて絶対に決められる場面で失敗してしまうのは、過去の失敗や未来の不安にフォーカスが向いており、自身を間違った方向にミスディレクションしている。その瞬間にフォーカスを向けるように戻さなくてはならない、と説明している[5]

学術的根拠

心理学ではInattentional blindness(非注意性盲目)とも言われ、「視野の中に入っているものの、注意が向けられていないために物事を見落としてしまう事象のこと」である。1992年に心理学者のArien Mack博士とIrvin Rock博士が実施した知覚注意の実験中に観察された現象から発見され、1999年ハーバード大学ダニエル・シモンズ英語版博士とクリストファー・チャブリス英語版博士が行った「見えないゴリラの実験」によって明確に立証された。「見えないゴリラの実験」では被験者には、白いシャツを着た人と黒いシャツを着た人がバスケットボールをパスする短いビデオ映像を見せられ、白いシャツを着た人のパスの回数を数えるよう指示がされた。実験終了後、被験者にいくつかの質問がされ、その中の一つに「何か選手以外に目についたものはありますか?」というものが含まれていた。映像ではゴリラの着ぐるみを着た人が現場を通過したのだが、42%の被験者がそのゴリラの存在に気づかなかった。[6]

ダニエル・シモンズ博士は「われわれは、おおむね見えると予想しているものを見ているのだ」と述べ、ひとつの物事に注意が必要であればあるほど、視界に入っている他のものに注意を払えなくなると指摘している。

人間のは、入ってくる情報のすべてを一度に処理することは出来ない。このような現象が起こるのは、脳が様々な感覚入力の取捨選択を行っている為である。

ユタ大学の研究チームが2003年に発表した研究 によると、車の運転中にハンズフリーの携帯電話を利用し会話をしていても「非注意性盲目」に陥ってしまうということが立証されている[7]シミュレーターを使い、参加者は運転だけで2キロを走行するのを3回、ハンズフリーで会話をしながら運転して同距離を走行するのを3回と、計6回運転を行った。この走行中に掲示されている広告板を見たか、見なかったかを集計したところ、以下のような結果が出た。

広告板を「見た」と答えた割合は、運転のみの場合:65%、運転+ハンズフリー会話の場合:24% なお、いずれの場合も、アイトラッカーを利用しているために広告板が視界に入っていることは分かっている。

出典

  1. ^ Harlan Tarbell, The Tarbell Course in Magic Vol. 1
  2. ^ The Encyclopedia of Magic and Magicians, pg. 232, copyright 1988
  3. ^ 黒子のバスケ/1|藤巻 忠俊|ジャンプコミックス. 2011年12月11日閲覧
  4. ^ テレビ東京 FOOT BRAIN 2019年8月31日 放映 https://www.tv-tokyo.co.jp/footbrain/lineup/20190831.html
  5. ^ Livedoor News”マジシャン志村祥瑚が提言「フォーカス」で変わるアスリートのパフォーマンス”https://news.livedoor.com/article/detail/17014060/?fbclid=IwAR0wC1Y8hA_FJx1Ud4MiuIiqGR0-6ZQ3o7gkhvGNytZnSTAypN9TF7xd7lU
  6. ^ Inattentional blindness Daniel J. Simons (2007) Scholarpedia,2(5):3244 http://www.scholarpedia.org/article/Inattentional_blindness
  7. ^ David L. Strayer and Frank A. Drews (2007) “ Cell-Phone–Induced Driver Distraction” , Current Directions in Psychological Science, SAGE Publications

関連リンク

ミスディレクション』 - コトバンク


ミスディレクション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/30 04:12 UTC 版)

ドロシー・オルブライト」の記事における「ミスディレクション」の解説

ジョーカーカード出して超必殺技及びアルカナ超必殺技を出すふりをするフェイント技。なお、ジョーカーはオールマイティーカードとして扱われるが、役成立時ジョーカーからは攻撃判定発生しない

※この「ミスディレクション」の解説は、「ドロシー・オルブライト」の解説の一部です。
「ミスディレクション」を含む「ドロシー・オルブライト」の記事については、「ドロシー・オルブライト」の概要を参照ください。

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