ペプシノゲン【pepsinogen】
ペプシノゲン
酵素タンパク質モチーフなど: | ヘモグロビン ベータアドレナリン受容体 ベータアドレナリン受容体キナーゼ ペプシノゲン ペプシン ホメオドメイン ホメオドメインタンパク質 |
ペプシノゲン
ペプシノゲン(PG)は、胃液に含まれる消化酵素「ペプシン」のもととなる物質で、産生する場所からⅠとⅡに分けられます。PGⅠは主に胃酸を作る部位から、PGⅡは胃全体から分泌されます。ほとんどは胃内に分泌されますが、一部は血液中に移行するため、血液中のPGⅠとPGⅡを調べることによって胃の異常を知ることができます。
ピロリ菌感染などで胃粘膜に炎症が起こると血中のPGⅠとPGⅡがともに増加します。さらに、胃の炎症が進んで胃粘膜が萎縮して少なくなると、PGⅠが減少してPGⅠ/Ⅱ比も低下します。そのため、ペプシノゲン検査において、PGⅠが70 ng/ml以下かつPGⅠ/Ⅱ比が3.0以下になると胃の炎症が進んでいると判定され、胃粘膜が萎縮していることが分かります。
胃の表面は胃粘膜によって胃酸や胃液から守られています。しかし、胃粘膜萎縮が進むとこの防御機能が弱くなるため、胃潰瘍や胃がんを発症しやすくなります。このことから、ペプシノゲン検査は胃がん検診に応用されています。
ペプシン
(ペプシノゲン から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/25 03:57 UTC 版)
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ペプシンA | |||||||||
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ペプシンの構造
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識別子 | |||||||||
EC番号 | 3.4.23.1 | ||||||||
CAS登録番号 | 9001-75-6 | ||||||||
データベース | |||||||||
IntEnz | IntEnz view | ||||||||
BRENDA | BRENDA entry | ||||||||
ExPASy | NiceZyme view | ||||||||
KEGG | KEGG entry | ||||||||
MetaCyc | metabolic pathway | ||||||||
PRIAM | profile | ||||||||
PDB構造 | RCSB PDB PDBj PDBe PDBsum | ||||||||
遺伝子オントロジー | AmiGO / QuickGO | ||||||||
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ペプシンC(ガストリクシン) | |||||||||
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識別子 | |||||||||
EC番号 | 3.4.23.3 | ||||||||
CAS登録番号 | 9012-71-9 | ||||||||
データベース | |||||||||
IntEnz | IntEnz view | ||||||||
BRENDA | BRENDA entry | ||||||||
ExPASy | NiceZyme view | ||||||||
KEGG | KEGG entry | ||||||||
MetaCyc | metabolic pathway | ||||||||
PRIAM | profile | ||||||||
PDB構造 | RCSB PDB PDBj PDBe PDBsum | ||||||||
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ペプシン (pepsin,EC.3.4.23.1-3) は動物の胃で働くタンパク質分解酵素の一つ。アスパラギン酸プロテアーゼの一つ。ギリシア語で「消化」を意味する πέψις(ラテン文字転写 pepsis)に因んだ命名。
性質
遺伝子翻訳産物は不活性型な前駆体であるペプシノーゲンとして胃底腺の主細胞で作られる。これが塩酸を含む胃液中に分泌されるとpHの低下で立体構造が変化し、N末端側のプロ配列を二段階のプロセッシングで切り落とすことによって、活性型のペプシンとなる。また活性化されたペプシン自身もペプシノーゲンに作用し、これを活性化する。強酸性であるpH 2.0付近が最適条件である。一度活性化されたペプシンは中性・アルカリ性条件にすると不可逆的に立体構造が変性し活性を失う。十二指腸の粘膜は重炭酸イオンにより胃酸を中和するとともにペプシンを不活性化している。タンパク質を分解し、吸収しやすい形に変える。
基質特異性
タンパク質・ペプチド鎖の酸性アミノ酸残基(アスパラギン酸やグルタミン酸)-芳香族アミノ酸残基と続く配列のN末端側を切断することができる。
阻害剤

プロテアーゼ阻害剤の一つである、ペプスタチンなどによって阻害される。これによりペプスタチンは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの潰瘍の治療に有効である。
関連項目
- ペプシノゲンのページへのリンク