フーゼル油(ふーぜるゆ)
アルコールのうち分子中の炭素数が3~5のもの。酒類に含まれるアルコールは普通エチル・アルコールを指しているが、発酵によって様々なアルコール類が生成される。これらのアルコールのうち、エチル・アルコールより分子量の大きい一群の直鎖状のアルコール類を総称してフーゼル油あるいは高級アルコールという。フーゼル油は原料中のタンパク質と糖質から発酵によって生成されるので、特別な精留でもしない限りすべての酒類に存在する。この成分単独のにおいは刺激的で好ましいとはいえないが、酒類などに微量含まれていると香気成分として役立つ。すなわち、フーゼル油成分が存在することによって初めて酒らしい風味が形成され、その含有比率は酒のタイプ形成に関与する。二日酔の原因がフーゼル油にあるとする巷間(こうかん)説があるようだが、酒類中の含量からいって(エチル)アルコールの100分の1以内の量であるから二日酔の主犯はエチル・アルコールそのものであるといえる。また酒を燗(かん)あるいはお湯割りすることによりフーゼル油が蒸発して抜けるので二日酔しにくいとの俗説もあるが、二日酔については前述のとおりであるし、エチル・アルコールより沸点の高いフーゼル油が通常の燗温度で蒸発して抜けるとは考えにくい。なお、本格焼酎の製造現場では原料の脂肪に由来する油成分を慣習的に「フーゼル油」と称しているが、本来のフーゼル油は高級アルコールであるから呼称は同じでも化合物的にはまったく異なるものを指している。
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