フィリップ王戦争後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/24 22:06 UTC 版)
「マサチューセッツ湾植民地」の記事における「フィリップ王戦争後」の解説
インディアン連合による「反乱」は、白人たちの圧倒的勝利によって終わり、徹底的な植民地における民族浄化はインディアンの数を激減させた。しかし白人たちのインディアン駆除方針はなおやまなかった。植民地の周辺に生活するインディアンたちを、根こそぎ滅ぼそうとしたのである。ジョージ・ワシントンの軍や入植白人たちは、植民に邪魔なインディアンと狼の皆殺しを徹底して進めた。「フィリップ王戦争」で白人に味方したインディアン部族も、戦争が終われば入植の敵だった。侵略者たちは彼らもその虐殺の対象とした。 入植白人たちは、毒入りの肉や、天然痘に感染したインディアンの毛布を狼に与えた。猟犬を放って、狼やインディアンの子供をさらって来させ、これを殺した。インディアンに対する民族浄化は、ピューリタン指導者たちによって後押しされた。 ニューイングランドの支配層の一人で、ピューリタンの主教だったコットン・マザーは、インディアンを狼に例えて次のように述べている。 道でオオカミたちの貪欲な遠吠えを聞いたら、そいつらを力強く追いかけて、やつらを皆殺しにするまで帰ってくるべきではない。やつらを風の前のちっぽけな埃としてぶちのめすべきだ。 猟犬はインディアン民族の駆除に最も有効とされた。1703年には、植民地の宗教指導者ソロモン・ストッダードが、マサチューセッツ知事に対して正式に、「インディアンを追跡する際に、入植民たちが弱腰にならないように」と、猟犬の一群の購入予算を議会に提案している。この際、ストッダードはこう付け加えている。 犬は、インディアンに対する最大の脅威だ。犬は多くの敵を処刑し、大勢の足の早いインディアンたちを捕まえてくれるだろう。 続いてスタッダードはニューイングランドの宗教界代表としてこう発言した。 インディアンが人間だとするなら、このような方法で彼らを追跡するのは残酷に見られるかもしれない。しかし、実際のところ、インディアンは狼だ。それに、やつらは狼として取り扱われることになっている。 インディアンと狼の絶滅は、入植政府、ニューイングランドのキリスト教教会を含む、マサチューセッツ湾植民地の第一目標だった。
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