フィリッポス・ブルネレスキの逸話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 17:19 UTC 版)
「コロンブスの卵」の記事における「フィリッポス・ブルネレスキの逸話」の解説
上記の逸話は、その15年前(ベンゾーニがアメリカ大陸にいた頃)に画家・建築家のジョルジョ・ヴァザーリが紹介した逸話に似ていることから、ベンゾーニの作り話ではないかと考えられている。ヴァザーリは、イタリアの若き建築家フィリッポ・ブルネレスキが設計したフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のクーポラについての逸話を紹介している。ブルネレスキは、大聖堂造営局が募集した設計コンペに対し、二重構造の巨大なクーポラを仮枠なしで築造する案を提出した。造営局はこの案を訝しみ、ブルネレスキに模型を見せるよう求めたが、ブルネレスキはそれを拒否して次のように提案したという。 卵を平らな大理石の上に真っ直ぐ立てることができる人なら誰でもクーポラを建てられるはずである。それができるかどうかでこの設計を為すことができる知性を持ち合わせるかを試すことができる。これに対して、大勢の職人が卵を直立させようと試みたが、誰もその方法を考えつかなかった。フィリッポの番になり、卵を立てるように求められると、フィリッポは優雅に卵を受け取って片端を大理石に打ち付け、見事に卵を立ててみせた。これを見た職人達は、自分達にも同じことができると抗議したが、フィリッポはそれを一笑して、これと同じように模型や設計図を見たあとならば誰でもクーポラを建てられると言うだろう、と応じた。こうしてフィリッポがクーポラの築造を任せられることになった。[...che chi fermasse in sur un marmo piano un uovo ritto, quello facesse la cupola, che quivi si vedrebbe lo ingegno loro. Fu tolto uno uovo, e da tutti que' maestri provato a farlo star ritto, nessuno sapeva il modo. Fu da loro detto a Filippo ch'e' lo fermasse, et egli con grazia lo prese e datoli un colpo del culo in sul piano del marmo, lo fece star ritto. Romoreggiando gl'artefici che similmente arebbono fatto essi, rispose loro Filippo ridendo che egli averebbono ancora saputo voltare la cupola, vedendo il modello o il disegno. E cosí fu risoluto che egli avessi carico di questa opera, e ne informasse meglio i Consoli e gli operai.] 完成した大聖堂のクーポラは、卵の下半分を逆さにして、頂点がわずかに平らにした形になっていた。
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