ファンタジー_ジェルノアの章とは? わかりやすく解説

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ファンタジー ジェルノアの章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/10 15:46 UTC 版)

ファンタジー ジェルノアの章
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 Apple IIコモドール64MS-DOSAtari 8ビット・コンピュータAtari STAmigaMSXFM-7X1PC-88、PC-98
開発元 Strategic Simulations
発売元 Strategic Simulations
スタークラフト
デザイナー Winston Douglas Wood
シナリオ Winston Douglas Wood
人数 1人
発売日 1985年
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ファンタジー ジェルノアの章』(ファンタジー ジェルノアのしょう、英語: Phantasie)は、Strategic Simulations, Inc.(SSI)から開発・発売されたコンピュータRPGであり、『ファンタジー』シリーズの第一作である。 日本ではスタークラフトから発売された。

ゲームプレイ

本作は、邪悪なブラック・ナイトと、その首領である悪い魔法使い・ニカデモスを打ち破るために、6人のキャラクターを操作してジェルノア島を冒険する内容である。

プレイヤーはキャラクターのクラス(シーフ戦士レンジャー修道士神官魔法使い)と、種族(人間、ドワーフハーフリングエルフノーム)を1つずつ選べる。ギルドでハイアリングを登録しておくと、戦闘中に召喚魔法でエレメントを召喚し、戦闘に参加させることができる。

ランダムモード」を選択した場合、種族はオーガトロールピクシーノールオークゴブリンコボルドリザードマンミノタウロスなどから選ばれる。ランダムの種族はシーフか戦士にしかなれない。

本作では次のような、様々なゲーム様式を利用できる点が注目された。町のショップでアイテムを購入できる。視野は2Dで見下ろす形のダンジョンクロウル型である。ワールドマップも見下ろす形となっている。戦闘画面はグラフィックとシステムウインドウで分かれている。それぞれのクラスに独自の戦闘スタイルとオプションがある。TBS式戦闘区分ですべてのキャラクターが特定ラウンドの戦略を選択できる。戦闘後に経験値が与えられる。戦闘はモンスターと挨拶を交わす、降伏を勧める(成功すると金が手に入る)、金を払って許しを請うなどによって回避することもできる。要件を満たしたら、プレイヤーはレベルアップするために町に戻らなければならない。町に戻るたびに年を取り、一定の年齢を過ぎると全ての能力値が0となる。能力値が0となる年齢は、エルフやドワーフなどは長く、ランダムの種族は短い。人間はその中間ほどである。戦闘に負け、パーティが全滅すると、キャラクターは復活するか、滅ぶか、アンデッドとなるかの3種の運命をたどる。アンデッドとなったキャラはレベルアップできない。また、1度死亡したキャラは全滅による復活以外に蘇生させる手段がない。

反響

本作は北アメリカで5万本以上を売り上げ、SSIのヒット作となった[1]。1987年後半の時点で、SSI社が出したコモドール向けゲームとしてはベストセラーになった[2]。ゲームレビュアーのハートリーとパティ・レッサーはDragon 120号 (1987年)の"The Role of Computers"コラムで本作のAtari ST版を絶賛しており、「Atari STの所有者は、『ファンタジー』は人々の注目を集めるだけの価値があるゲームであると考えるべきだ」と推奨している[3]。1988年、ANALOG Computingは本作とその続編をAtari 8ビット・コンピュータ向けの最高のファンタジーRPGと称した[4]。1991年と1993年にはComputer Gaming Worldゲームライターのスコーピアが「たくさんの面白い特徴を持った、驚くほど良いゲームだ」と称している[5][6]

続編

『ジェルノアの章』の続編として、『ファンタジーII フェロンラの章』、『ファンタジーIII ニカデモスの怒り』、『ファンタジーIV 英雄の血脈』が発売された。『IV』は日本のみでの発売だった[7]

『III』からキャラクターのダメージに関するシステムが変更され、首、腕、脚などの部位ごとにダメージが判定されるようになり、「軽傷、重傷、喪失」の段階を踏むようになった。首や胴を喪失したキャラは死亡する。

『IV』ではキャラクターの種族や職業が追加された。特にガーゴイルは、職業も「ガーゴイル」となる特別な種族とされていた。

後世への影響

『ファンタジー ジェルノアの章』、『ファンタジーIII ニカデモスの怒り』、Questron IIは後に共に再発売された。Drago203号(1994年)では、サンディ・ピーターセンが"Eye of the Monitor"のコラムでレビューをし、5つ星中の2つ星とした[8]

また、香港などでは本作の海賊版である『幽霊戦士』が発売されており、日本のコンピュータゲーム『魔界塔士Sa・Ga』の題名の由来となった[9]

脚注

  1. ^ Maher, Jimmy (2016年3月18日). “Opening the Gold Box, Part 3: From Tabletop to Desktop”. The Digital Antiquarian. 2016年3月19日閲覧。
  2. ^ Ferrell, Keith (1987年12月). “The Commodore Games That Live On And On”. Compute's Gazette: pp. 18–22. https://archive.org/stream/1987-12-computegazette/Compute_Gazette_Issue_54_1987_Dec#page/n17/mode/2up 2015年1月24日閲覧。 
  3. ^ Lesser, Hartley; Lesser, Patricia (April 1987). “The Role of Computers”. Dragon (120): 79–82. 
  4. ^ Panak, Steve (1988年9月). “Panak Strikes”. ANALOG Computing: pp. 83. http://www.atarimagazines.com/analog/issue64/panak.php 2015年1月30日閲覧。 
  5. ^ Scorpia (1991年10月). “C*R*P*G*S / Computer Role-Playing Game Survey”. Computer Gaming World: pp. 16. http://www.cgwmuseum.org/galleries/index.php?year=1991&pub=2&id=87 2013年11月18日閲覧。 
  6. ^ Scorpia (1993年10月). “Scorpia's Magic Scroll Of Games”. Computer Gaming World: pp. 34–50. http://www.cgwmuseum.org/galleries/index.php?year=1993&pub=2&id=111 2016年3月25日閲覧。 
  7. ^ [1]
  8. ^ Petersen, Sandy (March 1994). “Eye of the Monitor”. Dragon (203): 59–62, 69. 
  9. ^ まさん (2015年1月22日). “新作『SAGA2015(仮称)』発表記念。河津秋敏氏が振り返る『サガ』シリーズ25年の思い出”. 電撃オンライン. アスキーメディアワークス. 2019年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月24日閲覧。

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