ピエン.ぴえん
絵文字としての「ぴえん」は、ハの字の困り眉、への字に結ばれた口、そして潤んだ円らな瞳を特徴する表情の記号である。ひらがな表記の「ぴえん」も、この顔文字を念頭において用いられる。
「ピエン(ぴえん)」の意味
「ぴえん」は主に「悲しい気持ち」や「泣いている・泣きそうになっているさま」を指す意味で用いられる。大抵の場合、さほど深刻な状況ではない(まだ余裕が残っている)ことを示唆する。「ぴえん」という字面は、泣き声を模したものと捉えれば擬音語であり、哀調に満ちた心情を言語化したものと捉えれば擬態語または擬情語である。いずれにしても「ぴえん」はオノマトペ的な表現である。
「ぴえん」は基本的には「泣いている様子」または「今にも泣きそうになっている様子」の表現として用いられる。悲しみや切なさの表現として用いられることが多いが、感動・感涙・嬉し泣きの表現として用いられることもある。自己憐憫や同情してもらいたい気持ちの示す意味で用いられることもある。
「ぴえん」という表現は、2018年後半の頃から、10代女子を中心に盛んに用いられるようになった。同時期に普及浸透した顔文字と共に流行して爆発的に広がり、2019年にはAMFが主催する「JC・JK流行語大賞2019」のコトバ部門で第1位、2020年には「2020年上半期インスタ流行語大賞」の第1位(大賞)、ならびに三省堂が選ぶ2020年の流行語大賞の第1位(大賞)に選出されている。
「ぴえん」は、2020年頃を流行のピークとし、その後の使用頻度は徐々に落ち着きつつある。一世を風靡した流行語の常というものである。とはいえ完全に廃れて死語となる気配はない。
絵文字としての「ぴえん」に至っては、SNS時代の定番の表現のひとつとして完全に定着しているとすら言い得る。
「ピエン(ぴえん)」に関する熟語・言い回し
ぴえん越えてぱおん
「ぴえん超えてぱおん」とは、「ぴえん」で示される感情の程度がより強いさまを示す言い方として用いられることのある言い方である。「ぱおん」は「ぴえん」の派生表現であり、いわば上位概念と位置づけられる。死語となりつつある。ぴえん系
「ぴえん系」とは、10代~20代前半の若い女性のファッションスタイルの系統である。典型的には、目元を強調したメイク、ストレートな長い黒髪、自然な眉、モノトーンを基調とした服にパステル系の小物、あるいはレースやフリルなどを多様したフェミニン(あるいはロリータ)系の服装、といった容貌が「ぴえん系」に該当しやすい。「ぴえん系」と、いわゆる「地雷系」のファッションスタイルは、重複する部分が多く、単に外見上の特徴だけではどちらとも判別しがたい場合も多い。「ぴえん系」の女性はいわゆる「構ってちゃん」であり、「地雷系」は「メンヘラ」である、というニュアンスが念頭に置かれやすい。
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