ピアノのための前奏曲集とは? わかりやすく解説

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髙田 三郎:ピアノのための前奏曲集

英語表記/番号出版情報
髙田 三郎:ピアノのための前奏曲集作曲年1947年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 蒼き沼にて No Data No Image
2 風に踊る陽の光 No Data No Image
3 山鳩 No Data No Image
4 藍色谿間 No Data No Image
5 暮れてゆく山々 No Data No Image

作品解説

2007年8月 執筆者: 齊藤 紀子

 1947年完成し翌年髙田奈子夫人により初演された。第2次世界大戦中に戦災遇い、家を失った作曲者信州山間作曲し戦後東京完成させた。全5曲から成りそれぞれに豊かな自然を思わせるタイトルついているが、これは作曲者思い出よるものであり、演奏に際してはこれらのタイトルとらわれすぎないようにとのコメント添えられている。
 
 第1曲目の<蒼き沼にて>は4分の4拍子冒頭に「グラーヴェ(よどみて)」と記されている。曲全体通して完全5度特徴的である。また、左右オクターヴ和音によるユニゾンも目立つ。冒頭は、半音階富んだ音の進行となっている。
 
 第2曲目の<風に踊る陽の光>は8分の6拍子冒頭に「アッレグレット(清澄に)」と記され、前曲との対比を成すことが示唆されている。主要主題は1オクターヴ上に向かう跳躍開始することが印象的である。左手伴奏には、前曲で特徴的であった5度音程随所隠されている。また、28小節におかれた11小節間のポコ・メーノ・モッソは、前曲の雰囲気思わせる。その直前には、8分音符が同じ音価指示される4分の2拍子が2小節挿入されている。ポコ・メーノ・モッソの後に再現する主要主題は、左手置かれ右手伴奏にまわる。終結の3小節もメーノ・モッソ指示されている。

 第3曲目の<山鳩>は4分の4拍子冒頭に「レントものうく)」と記されている。タイトルとらわれすぎないようにとの作曲者のコメントがあったが、5~7連音符使用により、鳴き声模したような曲となっている。第13小節に、1小節のみ4分の2拍子挿入されるディナーミクppp-pを中心としている。

 第4曲目の<藍色谿間>は4分の2拍子冒頭に「ヴィーヴォ流れ様に)」と記されている。ff開始し、仮に、前曲が自然の一部スポット・ライトをあてていたのだとしたら、視界一度広がるような印象もたらす。但し、2小節目でディミヌエンドし、第3小節から提示される主要主題は、pと指示されている。曲全体通して冒頭2小節の音形を伴奏とし、その上にベン・マルカータ・ラ・メロディア」と指示され旋律乗せられている。用いられるディナーミクの幅はpppfff幅広い

 第5曲目の<暮れてゆく山々>は8分の12拍子冒頭に「レント・トランクイッロ(ほのぐらく)」と記されている。この曲は、これまでの4曲の要素少しずつ顔をのぞかせることが特徴的である。

高田三郎 『ピアノのための前奏曲集』 音楽之友社 1965年




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