ハンバー・スーパー・スナイプとは? わかりやすく解説

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ハンバー・スーパー・スナイプ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/02 01:44 UTC 版)

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マークI(1946)
マークII(1949)
マークIII(1951)
マークIVのベースとなったハンバー・ホーク
「ニュー」スーパー・スナイプ・シリーズII
「ニュー」スーパー・スナイプ・シリーズIII
シリーズIV リアビュー
シリーズV
インペリアル

スーパー・スナイプSuper Snipe )は、イギリスにかつて存在した自動車メーカーであるルーツ・グループが、ハンバーのブランドで1938年から1967年まで製造していた大型乗用車高級車である。

戦前型(1938年 - 1940年)

1938年10月に登場。既存上級モデルのプルマンに搭載されていたサイドバルブ直列6気筒4,086 ccエンジンを、1クラス下でホイールベース2,896 mm(114インチ)の3,000 cc級モデル「スナイプ」のシャシーに載せた中間車種として登場した。

プルマンより軽量でハイパワーな車種となり、最高速度は127 km/h、当時としては高速車として扱われた。ボディ形状は4ドアセダン、4ドアスポーツセダン、2ドアドロップヘッドクーペの三種類だった。

性能に対して比較的割安な価格を武器に、アッパーミドル層(企業管理職、専門職、上級公務員など)の公用車といった用途で需要を得て、第二次世界大戦勃発までに約1,500台が販売された。戦時中は軍のスタッフカーや輸送車のシャシーとしても生産された。特に、イギリス軍のバーナード・モントゴメリー元帥の専用車として使用されたものが有名である。

マークI~III(1945年 - 1951年)

スーパー・スナイプは1946年に生産が再開され、改良を重ねながら1951年まで継続生産された。「輸出か死か」と言われた戦後イギリスの外貨不足から、輸出にも力が入れられた。

  • 1946年登場のマークIの生産台数は3,909台で、戦前型と内容はほぼ同じであり、2,731 ccの「スナイプ」も存在した。
  • 1948年にはマークIIとなり、ヘッドランプがフロントフェンダー内に一体化され、横置きリーフスプリングの前輪独立懸架となった。戦後は4ドアセダンのみとなっていた車体形式も、ファクトリー製のエステート、ティックフォード製の2ドアドロップヘッドクーペも選択可能となった。マークIIは8,361台生産された。
  • マークIIIは1950年に登場し、8703台が生産された。外観上はマークIIと余り変わらなかったが、後輪サスペンションにパナールロッドが追加されて走行安定性が改善された。当時のザ・モーター誌のロードテストでは最高速度131.3 km/h、0 - 60マイル毎時加速19.1秒という、当時としてはまずまずの性能を示した。

マークIV(1952年 - 1957年)

1952年に登場。外観はレイモンド・ローウィのデザインで一新され、1950年に登場したホーク・マークIVの戦後型ボディのホイールベースを152 mm延長したものになった。また、エンジンはグループ内のコマー・トラック用をベースとしたOHV直列6気筒4,138 ccに変更され、1955年以降はマニュアルトランスミッション(MT)にオーバードライブが付き、生産中止直前の1956年にはオートマチックトランスミッション(AT)も選択可能になった。1953年当時のザ・モーター誌のロードテストによる最高速度は146 km/h、0 - 60マイル毎時加速は14.7秒まで改善した。またオーストラリアでも1952年以降ノックダウン生産され、比較的成功を収めた。マークIVは17,993台が生産された。

ニュー・スーパー・スナイプ(1958年 - 1967年)

1958年にシリーズはモデルチェンジされ、今度は「マーク*」ではなく、「シリーズ*」という番号が付けられることになった。車体は4気筒2,267ccエンジンのホークと共通化され、その6気筒エンジン版となった。新しい車体は従来のものより小型化されたが、より近代的な設計となったため居住空間はかえって拡大された。エンジンも小型化されて直列6気筒OHVの2,655ccとなったが、シリーズII以降はアームストロング・シドレー車用をベースとした2,965ccに拡大された。

ルーツでは、当時すでに「プルマン」や「インペリアル」という上級車種が消滅しており、ルーツ・グループのフラグシップ(高級車)としての役割をこの車種が担うこととなった。

生産台数はシリーズIが6,072台、シリーズIIが7,175台、シリーズIIIが7,257台、シリーズIVが6,495台、そしてシリーズVが1967年6月の生産終了までに3,032台生産された。ボディスタイルは4ドアのセダン、5ドアのエステートワゴンがあった。

  • シリーズIIは1959年モデルとして登場し、前述のとおりエンジンが2,965ccに拡大された他、前輪ディスクブレーキが装着された。1960年のザ・モーター誌のロードテストでは最高速度は152.4km/hに向上したが、0-60マイル加速は 16.5秒と、4,138ccのマークIV時代には及ばなかった。
  • 1960年登場のシリーズIIIは4灯式ヘッドライトとなった。
  • 1962年のシリーズIVではエンジン出力が121馬力から124.5馬力に引き上げられた。
  • 1965年に登場した最終版のシリーズVではルーフラインが平らになり、サイドウィンドーが6ライト式となった。エンジンにはゼニス製ツインキャブレターが装着され、最高出力は128.5馬力になった。またようやくトランスミッションがフルシンクロ化され、シリーズI以降途絶えていたAT、パワーステアリング、そしてメタリック塗装がオプションとして選択可能となった。また、ハンバー大型車の最後を飾るかのような高級セダンが「ハンバー・インペリアル」の名で追加され、こちらはレザートップとATが標準(MTも選択可能)であった。

日本への輸入

日本へは伊藤忠オートによって1950年代前半以降1960年代半ばまで輸入されたが、当時の日本における大型車の需要はアメリカ車が優位であり、ハンバー・スーパー・スナイプの販売台数はそれほど多くなかった。

登場作品

ルパン三世 カリオストロの城…カーチェイスシーンで敵が搭乗。ミニカーも発売されている。


ハンバー・スーパー・スナイプ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:31 UTC 版)

ルパン三世 カリオストロの城」の記事における「ハンバー・スーパー・スナイプ」の解説

クラリスを追うカリオストロ伯爵部下たちが運転していた、イギリス製のリムジン1940年式、モンゴメリー将軍愛用した車として有名、「C-14]のナンバープレートついている塗装茶色防弾仕様の特殊タイヤを履いているが、次元徹甲弾一撃食らってパンクし大破。この車に乗っていたカリオストロ伯爵部下は5人で車内に3人、外側の右のドアと左のドア1人ずつ掴まって乗っていた。車が大破した際に車の左のドアに掴まって乗っていた部下の男が吹っ飛ばされた。

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