ハンガー・コンテナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 15:41 UTC 版)
ハンガー・コンテナ (hangar container) は、衣類を輸送するためのコンテナである。ドライ・コンテナと同じ外形をしたコンテナの内部にハンガーをかけられる取り外し可能なパイプ状のラックが多数備わっており、コンテナ内部が絨毯で保護されている場合もある。このため空になった後にコンテナの有効活用と、空コンテナをわざわざ回送割引運賃が適用されない正規の運賃を払って送り返すという諸経費の無駄を省くための工夫が必要となる。 例えば、空回送冷凍コンテナなどでよく使われる輸送方法である、雑貨物資を帰り荷物として詰め込むことが考えられるが、内部が絨毯で保護されているなどの場合、多大な手間隙かけてコンテナ内部にビニールシート類を敷き詰めて、荷物の汚れが直接付かないようにするなどの、ある意味で使用用途が限定されるコンテナである。 しかし衣類を畳まずに吊るした状態で輸送することができるので、商品の折れ傷み防止や積載品数の増加、梱包資材の節約、更には出荷時に納品先の店舗仕様にあらかじめ札付けの準備をしておけば、流通中間で一切の手を加えることなくあたかも製造工場から直輸入したようになるので、これにより商品流通側から見れば経済性向上や荷役労働環境の改善、流行ものの衣類もスピーディーに仕入れることができる。 なお、コンテナの外観上からは特にhangar container、または、日本の鉄道コンテナで見られるハンガーコンテナなどと特段の表記や、一部の船主会社のようにハンガーの絵をデザイン的にペインティングをしていない限り、通常は見分けることが非常に難しい。また、1995年改定のISO規格コンテナ構造区分コードでは直接該当するタイプコードがないため、通常的に割り当てられているドライ貨物用の「G0 又は G1」が付与されたり、割り当て不能時に便宜的に総括付与する「G9」が使われる場合がある。 ※太字2桁部分の一例。 長さ40 ft・高さ8 ft 6 inの一例⇒43G9 長さ40 ft・高さ9 ft6インチの一例⇒45G9
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