ハイゼンベルクの不確定性原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 15:27 UTC 版)
「粒子と波動の二重性」の記事における「ハイゼンベルクの不確定性原理」の解説
詳細は「不確定性原理」を参照 ヴェルナー・ハイゼンベルクは、量子力学の公式化を進める中で、次のように表される不確定性原理を仮定した。 Δ x Δ p ≥ ℏ 2 {\displaystyle \Delta x\Delta p\geq {\frac {\hbar }{2}}} ここで、 Δ {\displaystyle \Delta } は標準偏差、 xとpはそれぞれ粒子の位置と運動量、 ℏ {\displaystyle \hbar } はプランク定数を2πで除したものを表している。 ハイゼンベルクは、初めのうちは自身の発見を、測定のプロセス上生じる現象だと説明していた。粒子の位置を正確に測定しようとすると運動量が乱され、逆に粒子の運動量を正確に測定しようとすると位置が乱される。しかしこれは現在では不確定性の一部にすぎず、不確定性は観測のプロセスではなく粒子そのものに存在することが理解されている。 実際に、現在の不確定性原理の説明は、ニールス・ボーアとハイゼンベルクによって考案されたコペンハーゲン解釈に拡張され、粒子の波動性に明確に依存している。ここでは波動の正確な位置を論じることは意味をなさず、粒子の完全に正確な位置も決まらない。さらに位置が比較的よく定まると、波動はパルス状になり、波長は定まらなくなる。 ド・ブロイ自身は粒子と波動の二重性を説明するためにパイロット波を提案していた。この考え方では、それぞれの粒子の位置と運動量は精度良く定まるが、シュレディンガーの式に由来する波の性質も示す。パイロット波理論は、複数の粒子に適用すると局在性を示さなくなることから、初めは否定された。しかしすぐに、非局在性は量子理論の積分により得られることが分かった。また、デヴィッド・ボームによってド・ブロイのモデルが拡張された。
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