STFTの問題点である不確定性原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 07:01 UTC 版)
「短時間フーリエ変換」の記事における「STFTの問題点である不確定性原理」の解説
不確定性原理(フーリエ変換の不確定性原理)とは、時刻の不確定さと周波数の不確定さの間に Δ x Δ ω ≥ 1 2 {\displaystyle \Delta x\Delta \omega \geq {\frac {1}{2}}} の関係があることである。一般化された言い方では、フーリエ変換で結ばれた2つの変数の対に対して上のような関係がなりたつことを指す。 STFTの問題点の一つは解像度が限られてしまうことである。窓関数の窓の幅などの形状によって、周波数分解能を良くするか時間分解能を良くするかのトレードオフが決まってしまう。幅の広い窓は周波数分解能が良いが時間分解能は悪い。逆に幅の狭い窓は時間分解能は良いが周波数分解能が悪い。 STFTの解像度の比較。左は時間分解能が良く、右は周波数分解能が良い この事実はウェーブレット変換を作る原因にもなった。ウェーブレット変換ではSTFTと異なり時間分解能と周波数分解能が両立することが出来る。 量子力学における運動量と位置に関するハイゼンベルクの不確定性原理とは普通区別されるが、実はフーリエ変換の不確定性原理に基因するものである。シュレディンガー方程式によれば、定常な場合、 ψ ( x , t ) = ψ ( x ) e − i E t ℏ = ψ ( x ) e − i ω t {\displaystyle \psi (x,t)=\psi (x)e^{-{iEt \over {\hbar }}}=\psi (x)e^{-i\omega t}} であり、フーリエ級数の形になっているので、 Δ x Δ ω ≥ 1 / 2 {\displaystyle \Delta x\Delta \omega \geq 1/2} が成り立つ。これに ω = p / ℏ {\displaystyle \omega =p/\hbar } を代入したものが、いわゆるハイゼンベルクの不確定性原理の式 Δ x Δ p ≥ ℏ 2 {\displaystyle \Delta x\Delta p\geq {\frac {\hbar }{2}}} である。
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