ドルニエ Do 29とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 乗り物 > 飛行機 > 実験機・記録機 > ドルニエ Do 29の意味・解説 

ドルニエ Do 29

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/11 23:57 UTC 版)

ドルニエ Do 29

ドルニエ博物館に展示されているドルニエ Do 29

ドルニエ Do 29Dornier Do 29)は、1950年代西ドイツの航空機メーカーのドルニエドイツ航空宇宙センター(Deutsche Versuchsanstalt für Luftfahrt、DLR)がSTOL(短距離離着陸)機用のチルト・プロペラ・システムをテストするために開発した実験機である。飛行テストではこのシステムが有効であることが証明されたが、それ以上のシステムと機体の双方の開発は行われず、Do 29はテスト飛行のみで退役した。

設計と開発

第二次世界大戦中にヘリコプターを製造していたフォッケ・アハゲリス社のハインリヒ・フォッケは、主翼の左右の端に下方へ向けられる推進式プロペラを装備し、それにより上昇推力を発生する短距離離着陸(STOL)機の開発を進めていた[1]。この機種フォッケ=アハゲリス Fa 269の開発は、戦況の悪化により途中で中止された[1]

1950年代にフォッケのコンセプトの再評価に連れてSTOLとVTOL(垂直離着陸)機への新たな関心が湧き、ドルニエ社がチルト・プロペラ・システムの実証可能な機体の開発契約を請け負った。Do 29と命名されたこの機体は、Do 27小型輸送機を基本に2基のライカミング GO-480エンジンを主翼下に備えるように改造された[1]。このエンジンは推進式3枚ブレードのプロペラを駆動し、最大90度の角度まで下方向きにチルトすることができた。エンジンに不具合が発生したときに左右で同等の推力を維持することができるように左右のエンジンは連結同調していた[1]

前部胴体もヘリコプターのようなコックピットを備えるように改造され、墜落時にパイロットが脱出できるようにマーチン・ベーカー製の射出座席が取り付けられていた[2]

テスト

ドルニエ博物館に展示されているドルニエ Do 29

2機のDo 29が製造され、3機目も計画されたが製作されなかった。試作初号機は1958年12月12日に初飛行を行った[2]。仕様上では90度まで曲げられるチルト・プロペラ システムは、飛行テストでは60度以上に曲げられることは無かった[1]が、失速速度24 km/h (15 mph) と狭い場所での卓越した性能を発揮してこの機体が成功作であることを証明した[1]

テスト結果は良好であったが、飛行テストが終了するとそれ以上チルト・プロペラ・システムの研究は続けられなかった[1]

展示中の機体

テストを終了したDo 29の試作機の1機がドイツにあるドルニエ博物館に展示されている[1]

要目

チルト式の推進プロペラ

(Do 29)[1][3]

  • 乗員:1名
  • 全長:9.5 m (31 ft 2 in)
  • 全幅:13.2 m (43 ft 4 in)
  • 全高:2.69 m (8 ft 10 in) [4]
  • 翼面積:21.80 m² (235 ft²)
  • 全備重量:2,400 kg (5,291 lb) [4]
  • 最大離陸重量:2,500 kg (5,512 lb)
  • エンジン:2 × ライカミング GO-480-B1A6 レシプロエンジン、200 kW (270 hp)
  • プロペラ:3ブレード
  • 最大速度:290 km/h (180 mph; 160 kn)
  • 最低操縦速度:24 km/h (15 mph; 13 kn)
  • 巡航高度:6,500 m (21,325 ft)
  • 航続距離:400 km (249 mi; 216 nmi)

関連項目

出典

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i Goebel, Greg. "Dornier Civil Aircraft". VectorSite, April 2010. Accessed 2010-06-10.
  2. ^ a b Luftwaffe: Projekte: Do 29. In: Geschichte der Luftwaffe. Bundeswehr. Accessed 2009-06-15.
  3. ^ Winchester 2005, pp. 84-85.
  4. ^ a b Green 1960 p.90-1

書籍

  • Green, William. Observer's book of aircraft (1960 ed.). London: Frederick Warne & Co. Ltd. 
  • Winchester, Jim, ed. Aviation Factfile: Concept Aircraft. San Diego, CA: Thunder Bay Press. ISBN 1-59223-480-1

外部リンク


「ドルニエ Do 29」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ドルニエ Do 29」の関連用語

ドルニエ Do 29のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ドルニエ Do 29のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのドルニエ Do 29 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS