トーンスケルチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 07:50 UTC 版)
無線送信機の変調信号に予め連続した単一周波数のAF信号(トーン)を重畳して送信し、受信側では復調器出力からBPFを使って、このトーンのみ取り出し・整流し、整流後のDC電圧を制御信号として使い、トーンが受信されないときは復調器からスピーカに至る区間のどこかを半導体スイッチやリレーで遮断したり、AFアンプの電源を断つことで雑音を遮断し、無音状態にする。なお、トーンスケルチのみだと、雑音の周波数成分がたまたまトーン周波数に近くなると、スピーカから雑音が出る問題があるので、普通はノイズスケルチやキャリアスケルチと併用される。トーンスケルチは、単に雑音を聞こえなくする用途としてよりも、トーンを何種類か用意して所望のトーンを含んだ電波を発する無線局を選択受信する目的が主で、アマチュア無線のリピータや簡易無線で用いられる。簡易無線では、マイクをマイク掛けからはずすとトーンスケルチが解除されトーンの異なる他局の通信を運用者が傍受できるようになっている。こうすることで他局の通信に妨害を与えないように運用することが出来る。また、マイクのPTTスイッチを離して送信から受信に切り替える際に、まずトーンの送出を断としてから、少し後に送信断とすることで、受信者に耳障りなテールノイズを聞かせなくすることが簡単に出来るが、送受信の切れ目がわかり難くなることから、あえてテールノイズを残すことが多い。たびたび「特定の相手のみに受信させることができる秘話機能」と誤解されることがあるが、上記の通り「特定の相手方のみを受信することができる」という受信側本位の機能である。別名CTCSS (Continuous Tone-Coded Squelch System)。
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