トーンホイール・ジェネレーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 08:11 UTC 版)
「ハモンドオルガン」の記事における「トーンホイール・ジェネレーター」の解説
ハモンドオルガンのすべての楽音を生み出すのは、上述したとおりトーンホイールと呼ばれる歯車状のパーツである。その縁には正弦波を模した波形が刻まれており、ピックアップとの距離が周期的に変化することによって生じる磁界の変化を音として出力する(エレクトリックギターの弦振動とほぼ同じようなものである)。代表的機種のB-3で91枚が組み込まれている。ペダル鍵盤用の12枚とメインの79枚に分けられ、ペダル用の12枚は低音を聞こえやすくするために正弦波よりも複雑な波形を持っている。それぞれのトーンホイールが生み出した音源信号は、いくつもの系統に分けられて出力される。「上鍵盤のBプリセット用・8'のドローバーに接続される系統」「下鍵盤のA#プリセット用・2'のドローバーに接続され、かつビブラート回路を通る系統」「2ndパーカッションとして出力される系統」といった具合である。このため、トーンホイール・ジェネレーターは非常に複雑な配線がなされている。各トーンホイールはピックアップとの距離が調整されており、聴感上目立つ高音の出力が低音より抑えられていることに加え、コンソールモデルでは一度に押されている鍵盤の数、引かれているドローバーの数、演奏される音域に関わらず音量が概ね一定となるように設計されており、これによって主旋律が伴奏に埋もれてしまうことや多数のドローバーが引かれた際に音量が過大になるのを防ぐことができる(Loudness Robbingと呼ばれる)。ジェネレーターは機械式であるため、年1回程度、トーンジェネレーターとモーターに専用の潤滑油を注油する必要がある。フェルト製のトーンジェネレーターカバーに数カ所、漏斗に似た形の給油口が取り付けられていて、専用潤滑油を少量入れておけばよい。注がれたオイルを適所に補給するため、ホイールを回転させる歯車やモーターのベアリングに接触するように糸が取り付けられており、オイルが浸透して必要な部分に伝達される。
※この「トーンホイール・ジェネレーター」の解説は、「ハモンドオルガン」の解説の一部です。
「トーンホイール・ジェネレーター」を含む「ハモンドオルガン」の記事については、「ハモンドオルガン」の概要を参照ください。
- トーンホイール・ジェネレーターのページへのリンク