トン数標準税制導入に当たって
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 03:07 UTC 版)
「山下学」の記事における「トン数標準税制導入に当たって」の解説
旧・運輸省海上交通局海事産業課の所轄する外航海運の租税法改正について、重要な役割を果たした。1999年~2004年まで、数次にわたり、ノルウェー、オランダ、イギリス、ドイツ、アメリカ合衆国等の海事産業当局や各国船主協会を訪問し、聴き取り調査を行った。そのうえで、日本の国土交通省海事局、日本船主協会、財務省主税局等と委員会、会議に出席、最終的に、超党派の海事振興連盟の決定を受け、自民党の海事立国推進議員連盟(衛藤征士郎会長)の要求により、政府・自民党は2008年度から外航海運への法人税を日本船籍については運航する船舶の容積などに基づいて算出する「トン数標準課税」を導入した。この税制は、利益が出なくても課税する一種の外形標準課税だが、コスト計算がしやすくなることもあり、業界各社が国際競争力強化へ日本船主協会を通じて外航海運各社が導入を求めた。その租税法学的見地から理論武装を図るため、数多くの政策税制に関する論文を発表した。国土交通省は2008年度税制改正要望に新制度導入を盛り込み、与党税制改正大綱でトン数標準税制(「トン数税」と略。)導入に言及、2008年4月より導入された。トン数標準税制の名付け親が山下学教授。これは、とん税、特別とん税という別な税がすでに日本にあることから、英文のTonnage Tax をトン数標準税制、略称・トン数税と名付けたものだ。トン数税は船舶の純トン数に応じて「みなし利益」を求め、そこに法人税率をかけて納税額を決める制度であり、ノルウェー、英国やオランダなどEUを中心とした主な海運国、アメリカ合衆国や韓国では導入済みだった。トン数税の対象を日本船籍にすることで海運会社に日本船籍の船舶導入を促進する狙いもあり、経済的安全保障の観点から、トン数税の導入が国会で議決された。また、平成25年度税制改正にあたってはトン数標準税制の改正のため、平成24年に欧州諸国を歴訪、各国財務省、運輸省、船主協会等のヒアリングを国土交通省よりの派遣で実施、海上運送法改正にも資料作成にもあたった。
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