トラブルとアムストラッドによる買収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/08 15:06 UTC 版)
「シンクレア・リサーチ」の記事における「トラブルとアムストラッドによる買収」の解説
1985年1月、シンクレアはLCD腕時計にラジオを付属した "FM Wristwatch Radio" を発売した。アンテナはストラップに組み込まれていて、バッテリーは留め金に隠されていた。この時計はいくつか問題があって完全な量産には至らず、シンクレア製品の中でも珍品となった。 サー・クライブ・シンクレアは以前から電気自動車に興味を持っていて、1980年代初期には単座の個人用自動車を設計していた。1983年3月、新たに Sinclair Vehicles Ltd を設立し、1985年1月10日、Sinclair C5 という電気自動車を発売した。このバッテリー駆動の自動車は環境問題の解決にも寄与し、価格も399ポンドと手ごろだった。しかし、事業としては完全に失敗し、17,000台を販売しただけで、シンクレアは700万ポンドを失った。同社は1985年末までに清算された。C5 の失敗と QL の失敗、さらには TV80 に失敗が重なり、サー・クライブ・シンクレアは投資家の信頼を失った。 1985年3月28日、シンクレアはシンクレア・リサーチのリストラに1000万ポンドから1500万ポンドが必要であると発表した。しかし、同社は既に信用を失っており、新たな投資が得られる見込みはなかった。1986年4月7日、同社はコンピュータ製品と「シンクレア」というブランド名を全てアムストラッドに売却した。これは製品とブランド名だけの売却で、会社そのものは存続した。 シンクレア・リサーチ本体は研究開発ビジネスのみに縮小し、いくつかのスピンオフした子会社の持株会社となった。子会社としては Anamartic Ltd.(ウェハースケール・インテグレーションの会社)、Shaye Communications Ltd.(CT2 携帯電話の会社)、Cmanbridge Computer Ltd.(Cambridge Z88 というポータブルコンピュータや衛星放送受信機などの会社)がある。
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