デイノスクスとは? わかりやすく解説

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デイノスクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/23 07:22 UTC 版)

デイノスクス
生息年代: 中生代後期白亜紀, 80–73 Ma
Є
O
S
D
C
P
T
J
K
Pg
N
D. rugosusの復元図
地質時代
中生代白亜紀後期
(約8,000万- 7,300万年前)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 四肢動物上綱 Tetrapoda
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜型下綱 Archosauromorpha
階級なし : 偽鰐類 Pseudosuchia
上目 : ワニ形上目 Crocodylomorpha
階級なし : 新鰐類 Neosuchia
: ワニ目 Crocodilia
: アリゲーター上科 Alligatoroidea
: デイノスクス属 Deinosuchus
学名
Deinosuchus Holland, 1979
シノニム

Polydectes Cope, 1869 Phobosuchus Nopsca, 1924

和名
デイノスクス
  • D. rugosus (模式種)
  • D. hatcheri
  • D. riograndensis

デイノスクス(学名:Deinosuchus)は、約8,000万- 7,300万年前(中生代白亜紀末期カンパニアン- マーストリヒチアン)の北アメリカ大陸に棲息していた、既知で史上最大級のワニ正鰐類ワニ目アリゲーター上科に分類される肉食性爬虫類。テキサス州のペロー自然科学博物館英語版に保存の良い完全な頭蓋骨が存在する[1]

呼称

学名は古代ギリシア語: δεινος (deinos) 「怖ろしい」 + σουχος (souchos) 「ワニ」の合成語[2]日本語では仮名つづり上の類似から「ディノスクス」などとも呼ばれることがあるが、本来は「デノ…」ではなく「デノ…」が正しい。英語では、「ダイノスーカス」に近い発音をするのが一般的である。

本属のシノニムには、Polydectes(ポリデクテス)と Phobosuchus(フォボスクス)がある。

特徴

化石種含む大型ワニ形類の比較図(デイノスクスは黄色、緑色は現生するイリエワニの最大個体)
D. hatcheriの復元骨格。ユタ自然史博物館の展示品。

現在のところ発見されているのは保存の良い完全な全長約180センチメートルの頭蓋骨のみで、他に発見されたのは脊椎肋骨などの一部であるが、その大きさから全長は最大で12メートル、体重は8.5トンに達するのではないかと推測され、史上最大のワニの1つと言われている。これは現存するワニの最大種であるイリエワニの全長の約2倍で、体重は約8倍である。しかし、近年の研究では、その数値は過大なものではないかともされ、10メートル程度だったとする説もある。なお、かつては全長を15メートルとする説もあったが、現在は否定されている。骨の研究も行われ、その結果、寿命は約50年と推測され、その頭蓋骨は現生のワニ同様に骨性二次口蓋を具えていた。

巨大なワニ形類としては他にもサルコスクスプルスサウルスなどが発見されているが、どれが最大の属であるのかについては判断するに足る確実な情報が乏しいため不明である。ただし、デイノスクスの全長がサルコスクスと同等かそれ以上であれば、体重の面ではより細身のサルコスクスを上回ると考えられる。

生態

D. rugosusの頭骨。ロンドン自然史博物館の展示品。
デイノスクスの骨皮たちと椎骨

現生のワニ類と同じく、水際に潜んで獲物を狙う捕食動物であり、魚を始めとする水棲動物のほか、水辺に近づくハドロサウルス類などの植物食恐竜等の陸棲動物も獲物にしていたと思われる。また、噛み付く力も非常に強く、ティラノサウルスと同等またはそれ以上の咬合力があったのではないかと推測されている。

しかし一方で、近縁のアリゲーターより若干胴が短く、四肢が長いことから、陸上と水中の両方で棲息していた可能性も指摘されている。

脚注

  1. ^ "Super-Croc"” (英語). ビッグ・ベンド国立公園. 2017年5月24日閲覧。
  2. ^ ギリシア語 δεινος は「恐竜」を意味する Dinosauria、英語: dinosaur の前半にも現れている。deino-/dino- の違いはギリシア語を転写する方法の違いによるもの。 → 英語版 Romanization of Greek#Ancient Greek を参照。生物種名におけるギリシア語の翻字はおおむねこの表の Classical (2列目)に相同だが、ときに ALA-LC (3列目)と同様の方式が使われることもある。

参考文献

  • ヘーゼル・リチャードソン、デイビッド・ノーマン(監修)『恐竜博物図鑑』出田興生(訳)、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。ISBN 4-7875-8534-7 

関連項目


デイノスクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:06 UTC 版)

プレヒストリック・パーク 〜絶滅動物を救え!〜」の記事における「デイノスクス」の解説

先史時代テキサス州生息していた超巨大ワニ全長15メートル体重9トンにまで成長する。体が巨大であること以外は現代イリエワニとよく似た生態であり、作中ではパラサウロロフス襲いアルバートサウルスから獲物奪っていた。パラサウロロフス仕留めた際に現生ワニ同じくデスロール呼ばれる技を使っていたが、これは史実のデイノスクスも行っていた可能性がある

※この「デイノスクス」の解説は、「プレヒストリック・パーク 〜絶滅動物を救え!〜」の解説の一部です。
「デイノスクス」を含む「プレヒストリック・パーク 〜絶滅動物を救え!〜」の記事については、「プレヒストリック・パーク 〜絶滅動物を救え!〜」の概要を参照ください。

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