セキュリティー対策を強化した新カードを配布
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「B-CAS」の記事における「セキュリティー対策を強化した新カードを配布」の解説
2012年8月30日に共同通信は、有料デジタル放送の事業者が有料放送を無料で見られる不正カードは、事業の存続に影響があるとして、警察の取り締まりに期待するだけでなく、自分たちも不正カードの対策をした新しいB-CASカードを配布して、対応していく予定であると報道した。実際にはコストの制約から各家庭などの広範囲を対象としたB-CASカードの交換は実施されず、電化製品の小売店などの展示品や有料放送のデモンストレーション用のテレビに挿入するカードのみをバックドアのない(もしくはバックドアがユーザーに発見される危険性の極めて低い)カードに交換し、一般家庭のテレビや録画機等に添付したり、故障などにより再発行されるB-CASカードも2015年ごろの発行分より同様のセキュリティーに注意を払ったカードに変更された。この変更はカードのIDにも明示的に反映されている。 これに加えて、セキュリティ強化カードにWOWOWとスカパー、スターチャネルが作成した新しいKwを予め書き込んだ状態で2014年4月ころより配布を開始、その後契約者に新Kwを配信し終えて以降の2015年2月18日に、WOWOWはKsで新しいKwを選択し、従来のKwでは放送をデコード出来ない様にした。これにより予め新カードに交換・あるいは契約者として新しいKwを受信したB-CASカードを使用している場合以外は、WOWOWの視聴が出来なくなった(ただし契約者であればカスタマーサポートに連絡することで新Kwを受信できる)。その後、WOWOWの後を追って同年6月15日にスターチャンネル、その翌日にはスカパーが相次いでKsで新しいKwを選択し、WOWOWと同様に旧Kwのみを持つB-CASカードでは試聴が不可能になった。 しかし、依然Kmで暗号化されているEMMメッセージが、バックドア付きB-CASカードによって平文として解読可能であるため、この対応は「いたちごっこ」であり、根本的な解決法ではない。しかしICカードを直接書き換える技術のない者による、カジュアルな不正視聴対策や、「実験」と称して行ったがそれ以降視聴せず改竄に必要な道具を破棄した場合などの再視聴の抑制、不正改造済みのB-CASの(高額)売買を抑制する効果はあった。その後も各社ほぼ1年半毎にKwの切り替えを行っている。
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