スマート・テロワール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/29 13:03 UTC 版)
「スマート・テロワール」とは、賢い・無駄のないなどの意味を持つ「スマート」を「テロワール」に足した造語で、「地方都市を含む広域の農村自給圏」を意味し、県・地域の枠組み内で農家・加工業者・消費者が循環システムを構築する構想である。 それを提唱するに至った問題を2つ挙げている。1つは、フランスの最も美しい村をモデルとして松尾自身が設立に携わったNPO法人日本で最も美しい村連合での活動の中で、フランス版のほうは人口増加に繋がっていたが日本版への参加自治体の多くは人口増加が起こらなかったとわかり、根本的な解決を経営視点で模索し始めた。もう1つは、カルビーポテトチップス発売当初から始まったジャガイモの契約栽培がこの頃になると思わしくない状況に陥ったため原因を探索すると、国内のジャガイモ・大豆や小麦の1反当たり収穫量が他の先進国に比べて半分しかないのがわかり、その改善を模索した。同じ頃、山形県飯豊町が将来構造について懸賞論文を募集、ここで松尾は構想を提案、2014年その構想をスマートテロワールとして著書にまとめた。 これを素に一般社団法人スマート・テロワール協会を設立、その会長を務めた。2016年山形大学農学部を中心とした庄内地域で「庄内スマート・テロワール構想」が立ち上がり、2017年には長野県で「地域食糧自給圏構築」が始まった。 山形大学や帯広畜産大学に松尾個人での寄付講座を開設している。2016年山形大学客員教授、同年長野県食の地産地消アドバイザーに就任している。2017年福島大学農学群食農学類設置協力会議顧問も務めた。 病気療養中のところ、2018年2月12日死去。享年76。
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