ステルス値上げとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > ビジネス > 新語時事用語辞典 > ステルス値上げの意味・解説 

シュリンクフレーション

別名:ステルス値上げ
英語:shrinkflation

食料品などの商品が、値段据え置きのまま内容量微妙に減らす形で実質的に値上げすること。価格上げない代わりに容量を減らすこと。

シュリンクフレーション(shrinkflation)という語は「シュリンク(縮む)」によるインフレーションという意味合い提唱され造語表現である。

シュリンクフレーションは、製造原価高騰要因として行われやすい。容量維持して価格引き上げる(値上げする選択肢もあるが、値上げ消費者反発食らいやすい、そのため価格据え置きにして容量を減らす選択肢が採られることになる。

昨今では日本でもシュリンクフレーション的な容量減に踏み切った商品多く見られる。特に告知するともなく内容量減らした商品俗に「ステルス値上げ」と呼ばれている。

シュリクフレーション的な容量減は、従来よりも核家族化人口減少といった家庭事情合った少量という見方可能な場合あり得るしかしながらメーカー側が「消費者のための変更」と謳って容量減らした牛乳などは、ソーシャルメディア上で評価よりもむしろもっぱら嫌悪感表明する声の方が多数派占める。

Twitter上では「#くいもんみんな小さくなってませんか日本」のハッシュタグ付けたステルス値上げ=シュリンクフレーションの報告盛んに投稿されている。

関連サイト
#くいもんみんな小さくなってませんか日本Twitter

ステルス‐ねあげ【ステルス値上げ】

読み方:すてるすねあげ

シュリンクフレーション


シュリンクフレーション

(ステルス値上げ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/03 03:35 UTC 版)

シュリンクフレーション英語: shrinkflation)とは、小売りされる商品の価格は変わらないままその内容量がシュリンク(縮小)してゆく経済問題である[1]。shrink(収縮)とinflation(インフレ)の合成語であり[2]インフレーションの形態の一つである。

実質的な値上げに消費者が気づきにくい(ステルス性)ことから、日本語ではステルス値上げ(ステルスねあげ)とも呼ばれる[3]

スタグフレーションとの対比として提唱されたのが初出ともいわれるが、本項の意味での「シュリンクフレーション」はアメリカの経済学者、ピッパ・マルムグレンの造語とされることが多い[4]

例えば様々な商品が、価格やパッケージが変わらないままサイズだけはシュリンクしている。この「シュリンクフレーション」こそが兆しなのだ
ピッパ・マルムグレン[5]

租税の改定や為替レートの変動、製造コスト上昇等の要因により、パッケージはそのままなのに内容量・数量が減少する例が代表的である。中には内容量・数量が減少したにもかかわらず、販売価格が上昇しているケースも見られる。なお、消費者物価指数などの統計においては、多くの品目において内容量の変化についての調整が行われており、その点で隠れ・ステルスとはなっていない。

シュリンクフレーションの過程で行われる実質値上げは下手をすると消費者への騙し討ちのような形になり、最悪の場合は製品の売上を安定的に支えるロイヤルユーザーからの不信を招いて製品の生産終了に繋がる可能性がある[6]

実例

リニューアル前のトブラローネチョコレートバー
リニューアル後のトブラローネ。チョコレートの山の間隔が広くなっている
  • 900ミリリットルの紙パックを使用した牛乳。主な商品としては、2014年発売のセブンプレミアム北海道十勝おいしい牛乳、2016年発売の明治おいしい牛乳など。
  • 2016年には、モンデリーズ社がアルプス山脈をイメージしたデザインのチョコレート菓子「トブラローネ」をシュリンクさせ、イギリスで販売するロットのみ山と山の間隔を広げて内容量を減らしたため物議を醸した[7]。なお、批判が大きかったことから、2018年には内容量を増やした上で値上げされ、元の形状に戻された[8][9]
  • 2024年セブンイレブンジャパン社長の永松文彦は自社の弁当が上げ底になっているのではという疑惑を週刊文春記者に問われたところ「そんなアコギなことはできない」と否認し「ネットに投稿する方は、事実をもって投稿してほしい」と反論した[10]

抑止策

韓国政府は2023年11月、シュリンクフレーションは「消費者の信頼を傷つけかねない」として実態調査を行うと表明[11]。翌12月、日常生活に密着した品目について製造者が容量等を変更する場合には、消費者院への通知と消費者への周知義務を定める方針を発表した[12]

脚注

  1. ^ The scourge of Shrinkflation eats away at the man in the street like a cancer!”. Perpetual Traveller Overseas. 2014年6月8日閲覧。
  2. ^ 『大人も知らない?続ふしぎ現象事典』2023年、マイクロマガジン社、p.102
  3. ^ 日本放送協会. “ステルス値上げ!? ~“安いニッポン”の現実~”. NHKニュース. 2022年1月16日閲覧。
  4. ^ That Shrinking Feeling”. Merriam-Webster. 2017年4月18日閲覧。
  5. ^ Pippa Malmgren (2016). Signals: How Everyday Signs Can Help Us Navigate the World's Turbulent Economy. Weidenfeld & Nicolson 
  6. ^ ドロリッチ生産終了は必然か 消費者離れの要因は「ステルス性」?”. J-CAST ニュース (2019年2月22日). 2023年8月19日閲覧。
  7. ^ Chocolate lovers face smaller bars as ‘shrinkflation’takes hold”. Financial Times. 2017年4月18日閲覧。
  8. ^ “Toblerone: Bar to revert to original shape” (英語). BBC News. (2018年7月21日). https://www.bbc.com/news/uk-44910195 2022年1月16日閲覧。 
  9. ^ Toblerone to revert to original shape but with bigger size and price” (英語). the Guardian (2018年7月20日). 2022年1月16日閲覧。
  10. ^ セブン社長に「上げ底弁当」疑惑を直撃「そんなアコギなことはできない」「ネットに投稿する方は、事実をもって投稿してほしい」週刊文春2024年10月25日付
  11. ^ 韓国政府 日用品の「ステルス値上げ」を調査へ”. 聯合ニュース (2023年11月17日). 2024年1月10日閲覧。
  12. ^ ステルス値上げに待った 消費者への周知義務に=韓国”. 聯合ニュース (2023年12月27日). 2024年1月10日閲覧。

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ステルス値上げ」の関連用語

ステルス値上げのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ステルス値上げのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2025 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのシュリンクフレーション (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS