ジョーク説の展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 03:13 UTC 版)
基本的に「鮫島事件は架空の事件であり、その存在自体が、新参者や本気にした者を釣るためのジョークであった」と解釈される。この事件をジョークと定義する観点からは、鮫島事件とは「ウェブ上のハイパーリアリティの自走に自覚的な人たちが共犯となって、ハイパーリアリティを自分たちで構築していくゲーム」、「リテラシーを共有するためのネタ」、「互いのリテラシーを確認し合い、高め合うゲーム」であると定義される。鮫島事件というジョークが定着した理由に、掲示板という顔の見えない文字だけのコミュニケーションであること、当時の2ちゃんねるは現在よりもアングラ色が強く、更に当時の2ちゃんねるは洒落や酔狂を好む気風が強かったことや、テレホーダイを利用する深夜の利用者が多かったことも、怖い作り話を歓迎する背景に繋がったという意見もある。 関連して、2ちゃんねるの初代管理人である西村博之の言葉として、「嘘は嘘であると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」というものが知られている。「鮫島事件」は実態不明・実在不明の事件であるにもかかわらず、その後も時折思い出した様に言及され、「それだけはやばい」という反応が書き込まれる。このことは、2ちゃんねるに書き込まれた情報は、とりあえずは「嘘ではないか?」として疑いの思考を捨ててはならない事と、事の真偽を読み手自身が検証しなければならない事、そして、それが不可能な場合は、真偽の判断は保留したままで、ネタをネタとして楽しむ事、これらのいわゆる作法・ネチケットが求められているという事を端的に示している。なお虚偽の情報が書き込まれることは2ちゃんねるに限らず、不特定多数が書き込む事ができるウェブサイトにおいては(サイトの主旨にもよるが)普通に存在する、と、鮫島事件を虚であると定義した論説で引用されることがある。 なお発端となるスレッドが立ち、数千もの発言が交わされてから数日後、ラウンジ板にはそのスレッドを立てた張本人を名乗る者が現れ、鮫島事件について知っている口ぶりで、発端となるスレッドを立てた人物>>1と、同スレッドで鮫島事件について執拗に質問を繰り返すレス番号>>16が同一のID(識別子)であることを指摘し、これは自分が発想したジョークであり、序盤の>>1番から>>30番までの書き込みの多くは自分の自作自演であると説明している。
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