ジグリット
ジグリット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 06:37 UTC 版)
(Ziglit, 聖階暦2006年ごろ - )この物語の主人公。錆色の髪と瞳を持つ少年。タザリア王国のエスタークという街の孤児で、仲間と一緒に盗み(主にすりやかっぱらい)をして生計を立てていた。しかし10歳の時(2016年)騎士団長グーヴァーと出会い、ジューヌ皇子とうり二つであるため王宮へと連れて行かれ皇子の影武者となる。その時風邪で声が出なかったため王宮の人々には話ができないと勘違いされたが、告げ口しないと思わせることで情報を得やすく敵意を抱かれにくいことなどにより、声のでないふりを続けた。そのため黒板に字を書いて会話するようになった。ジューヌが出陣した2020年のウァッリスとの戦争において仲間のいないところでジューヌを助けられずに戦死させ、影武者の責任を果たせなかったため、王宮での自分の居場所を失うことをおそれたジグリットは、皇子になりすまし死んだのは自分であることにした。こうしてジグリットはジューヌと入れ替わったが、皮肉にもその結果ジグリットとしての親しい者との絆を失うこととなった。ジグリットがうまくジューヌのふりをしたため、声が出せないと思われていることもあって入れ替わりに気づいた者はごくわずかしかおらず、入れ替わりが明らかにならないまま2021年にはジューヌ皇子として王位を継承。かつての自分のような貧しい人々を助けることを目指す。しかし、貴族の反乱による混乱の後、隙をついたゲルシュタイン帝国に攻め入られ、王都は陥落、多くの兵や民が虐殺され、グーヴァーらも裏切り者のフツとの死闘で殺され、自分もゲルシュタインに連れ去られ、リネアにより片足を切断される。その後、交易商人ブザンソンの手引きにより脱出。リネアの放った追っ手である不死身の狂戦士タジハッサをその知略で辛うじて退ける。タスティンの母ラシーヌの庇護の元で回復した後に冬将の騎士とナフタバンナ王国で再会、義賊「蒼蓮華」の一員となりタザリア奪還のための行動を開始する。 頭がよくて機転が利き、国賊の陰謀を暴いたこともある。王の子女の教育係であるマネスラーも学問の才能を認めていた。騎士並みに武術や馬術の腕もよく勇敢だが、敵の屋敷に1人で忍び込もうとするなど無謀なところもある。ジグリットの才能は苦しい孤児の暮らしを通して培われたものと考えられ、影武者として皇子と同様の教育を受けることで開花した。 なお各巻の冒頭にはジグリットが後に著したと思われる『回顧録』からの引用があるが、その著者名はジグリット・バルディフ(Ziglit Baldif)となっている。
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