ショー対DPP事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 03:12 UTC 版)
「ギャヴィン・シモンズ (初代シモンズ子爵)」の記事における「ショー対DPP事件」の解説
ショー対DPP事件とは、売春婦のプロフィール集を作成及び出版して娼婦から手数料を得ていた被告人が公序良俗義務違反に問われた事案であり、本件被告人に対して刑法上の謀議が成り立つか否かが争われた。その結果、貴族院は1962年に「公序良俗を貶める謀議(conspiracy to corrupt public morals)」を刑法下に認める判決を下した。以下、「公序良俗を貶める謀議」を肯定するシモンズ卿の傍論の引用である。 刑法下においては、裁判所は最重要かつ基本的な立法趣旨を遂行し、国家の秩序と安全のみにとどまらず、道徳的福祉をも保護するべく、その司法審査がなお及ぶこと、加えて想定外かつ無防備な潜在的脅威から防禦することは裁判所の責務であることに疑いの余地はない。 ただし、裁判官レイド卿(英語版)は裁判所が新たな犯罪類型を認める点に関して、以下のように反対意見を述べている。 けだし、(共謀罪の)適用可能性がなお存するとしても、その適用法規が個人によってなされた場合、犯罪性を認識する一般的な合意があったと思料されない限り、共謀罪を適用するべきではない。昨今、公衆の面前ではなされない不道徳的行為を処罰すべきか否かを巡っては、悪名高くも(個々人によって)意見を大きく異にしており、法はすでに規制しすぎているという人もいれば、十分ではないと考える人もいるのである。(そうした中では、法制定を行いうる)議会が相応しい場所であり、議会こそが本件を解決する唯一の適切な場所であると強く思料するものである。世論の十分な支持がある場合、議会は(法制定への)介入を躊躇することはない。議会が踏み込むことを熟慮しているところに、裁判所が性急に動くことはないのである。
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